第185話 【番外編】アマビエさん、泡を体験

「…………」

「面白そうなものを使っているな」

「いきなり背後に立たないで下さい。心臓止まりそうになります」


 アマビエさんにはずいぶん慣れたと思っていたが、油断した時にぬぼっと現れると体に悪い。


「軟弱者め」

「怖がりなのは否定しません」

「鍛えてやろう。我を洗うが良い」

「はいはい」


 割に合わないことをやらされているが、仕方無いので従った。丁寧に立てた泡で、アマビエさんの鱗を洗う。


「ほほほほほ」


 その感触もお気に召したようで、アマビエさんは機嫌のよさそうな声をあげる。最後にざばっと湯をかけると、ぶるぶると身震いした。


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