第178話 【番外編】アマビエさん、着替え?

 僕は一人だし、大して荷物もない。濃紺の部屋着に着替え、タオルだけ持ってロッカーを出た。


「早かったな」


 アマビエさんは早く温泉に入りたいのか、足踏みをしている。


「まだかな」

「覗くな、趣味の悪い」

「女性は着替えに時間がかかるから」


 そんな会話をして、僕はふとあることが気になった。


「アマビエさんもアマビコさんも、脱皮しないんですか」

「爬虫類扱いはやめろ」


 露骨に嫌な顔をされた。


「俺は、常に外殻が入れ替わってる。人間の皮膚と同じだ」


 皮膚も生まれ変わっているが、僕らにその感覚はない。アマビコさんもそんな感じだそうだ。

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