第176話 【番外編】アマビエさん、生える

「浮ついてるな」


 アマビコさんは辛辣だ。


「楽しんでいるのだ。我は映える存在だからな」

「お前は映えるというより生えてる」


 漢字の違いを、アマビコさんは器用に言い分けた。


「花言葉は『可憐』でお願いしたい」


 あくまで折れないアマビエさんであった。


「アマビコさんも撮りましょうよ。松と一緒にどうですか?」


 常緑樹なら落ち着いていて、アマビコさんの雰囲気に合うと提案してみた。


「……いいだろう」


 アマビコさんの了承は遅かったが、ポージングはアマビエさんより凝っていた。「映え」も知っているし、案外流行もの好きなのではなかろうか。

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