第159話 アマビエさん、温泉を知る

「お風呂は入ったことないんですか?」

「入るも何も」

「常に水の中にいるのに、何故そんな必要がある」


 確かに、言われてみればその通りだ。


「でも、気持ちいいですよ温泉。スーパー銭湯でもいいから、行ってみたらどうですか」

「ヤクザのおごりならいい」

「俺も行かねばな!」


 タカリが一体増えた。


「……さて、そろそろいいかな」


 薬局長が容器を揺すった。錠剤は完全に輪郭を失い、色のついた水が残っている。


「これなら、管も喉も通りそうだ」

「ご理解いただけて良かったです」


【薬局あるある】一度試してみれば、以外と便利なこともある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る