第156話 アマビエさん、食欲の権化

「カンイケンダク? 難しくないか?」


 アマビコさんは、聞き慣れない文字に顔をしかめている。


「大丈夫ですよ、溶かすだけですから。ちょっとやってみましょう」


 薬局長はポットのお湯を持ってきた。沸かしたところなので、ふつふつ湯気がたっている。


「ラーメン……」


 関係ない単語が聞こえてきた。


「このまま使うと、温度が高すぎて成分が壊れてしまったり、固まってしまいます」

「ダメではないか。水ならどうだ」

「それだと、なかなか溶けません。目指すは、お湯と水の中間です」


【薬局あるある】ちょうどいいところを見つける、先人の努力に感謝。

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