第154話 アマビエさん、気に入る

「やってみますね」


 僕は実際に手本を見せた。錠剤は飛び散ることなく、紙の下で順調に割れていく。


「疑わしい。何か秘訣があるに違いない」

「この紙、ツルツルして好き」

「お前は黙っとれ」


 先にアマビコさんが、試してみることになった。


「おお! すごいな、全く飛ばないぞ!」

「でしょ? 単純なことなんですよ」


 側でわいわいやっていると、アマビエさんも参戦してきた。同じようにやって驚いていたが、結果より薬包紙に関心を示していたので差し上げた。


「しかし、思ったより力がいるものだな」


【薬局あるある】割り終わった時の、謎の達成感。

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