第144話 アマビエさん、調剤室に来る

「よう」

「ただいま。アマビエさんとアマビコさんが見たいって言うから、来てもらったよ」


 僕がひとり奮闘しているところに、人外たちが乱入してきた。


「あれ、大変そうだね」

「粉砕の患者さんが来て」

「誰も待ってなかったよ?」

「前から飲んでるから、明日でいいって言ってくれたので」

「なるほど。手伝うよ」


 薬局長は手を消毒して、僕の隣に立った。


「それは何をしているのだ?」


 アマビコさんが顔を近づけながら聞く。


「ああ、錠剤を飲み込めない人のために、潰しているんですよ」


【薬局あるある】高齢化に伴って、粉砕も増える。

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