第111話 アマビエさん、喧嘩する

 僕は後ろに引き、ネットで検索してみた。


 アマビコ。江戸時代の瓦版に掲載された妖怪。予言を行い、病を遠ざけたと言われる。アマビエは、これの名前を書き写す際に、書き間違えて生まれた説もある。


「うわあ」


 揉めそうな関係性だ。しかも後の時代には、造形が独特なアマビエの方がメジャーになっていったというから、アマビコにとっては面白くないだろう。


「ここで会ったが百年目」

「決着つけてくれる」

「やめてください。警察呼びますよ」


 僕が本気で声をあげると、ようやく二体は距離をあけた。


【薬局あるある】本気のトラブルには、警察。

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