第86話 アマビエさん、秘密を語る

「……診断の結果ですか?」

「いや。我が来たら、医者が戸惑っていた」

「でしょうね。それなのになんでわかるんですか」

「体にとりこんだブツの正体はすぐわかる」


 衝撃の発言が飛び出した。


「感染系の病なら、我はすぐに特定し体内で分解できる。病封じの存在だからな」


 機械嫌いのくせに、アマビエさんの方がよっぽどハイテクである。


「……なら何故、発症を?」

「愚か者。国民が病に苦しむのなら、その痛みを共に味わうのが我の努めである」

「アマビエさん……!」



【薬局あるある】かかったことのない感染症は、軽くみられがち。

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