第71話 アマビエさん、横文字を噛む

「よう」

「あ、アマビエさん」


 アマビエさんがやってきた。今日は処方せんを持っていない。


「どうしたんですか?」

「少し教えて欲しいことがある。じぇねりきゅうとはなんだ」

「ジェネリックですね」


 噛んだアマビエさんは恥ずかしそうだった。


「医者に変更してもいいと言われた。しかし、どう変わるかわからん」

「わかりました。パンフレットあったよね?」


 僕が事務の子に聞くと、すぐ現物が出てきた。


「一言で言うと、『同じ成分なのに安い薬』です」

「ケチってるな」

「そうではなく」


【薬局あるある】新患受付の際、一番面倒なのがこの説明。

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