第49話 アマビエさん、満足する

「薬局長が渡してくれるのか」

「先生と会話したので、流れで」

「良き」


 アマビエさんの頬が赤くなっている。薬局長、気に入られた様子だ。


「多めに五十日にしておきました。手持ちの古い分から飲んで下さい」

「わかりました」

「アマビエさん、丁寧語使えたんだ」

「目が乙女です」


 ささやく僕と事務を尻目に、アマビエさんはスキップで帰っていった。


「薬局長、マダムキラーですね。チョコ、数十個はもらったって」

「えっ」

「頑張ってくださいね」


 目標が遠すぎる。僕は深くうなだれた。



【薬局あるある】どんな態度で接してもらえるかは、その人の腕。

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