第40話 アマビエさん、決める

「世界的なびっぐうぇーぶか、かわいらしさで独走する熊か」


 どっちのカテゴリにも入っていないと思うが……アマビエさんは悩んでいる。


「熊にする」


 マスコットとして生きるつもりだ。


「ここに来るときは持ってきてくださいね」

「うむ」


 すでに表紙をにらんでいる。これなら絶対忘れなさそうだからいいか。


「お薬手帳というのはタダなのか?」

「ええ、なくなったら無料でお渡ししてますよ」

「二冊いっぺんにもらうことはできるか」


 芸術路線も捨てていなかった。


【薬局あるある】二冊欲しいということは少ないが、家族の分が欲しい人はたまにいる。

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