第20話 アマビエさん、目がいい

「ん」


もらった包に顔をくっつけたアマビエさんがうめく。


「この薬、傷があるぞ」

「機械の中でこすれたのかな」


僕はアマビエさんから包をもらった。別に、おかしいところはない。


「普通ですよ?」


アマビエさんは流れるような動きで、薬局長に包を見せた。欠片も信頼されていないのがよく分かる。


「うん、別に傷も汚れもないですね。もしかしたら、この丸い溝が気になるのかな?」

「その通り」

「これは刻印って言います。錠剤といってもたくさんあるので、見分けるための目印になるんですよ」


【薬局あるある】無駄に格好良い呼び方、刻印。

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