第18話 アマビエさん、見ほれる

「……生臭い」

「何か言ったか」

「ナンデモアリマセン」


僕が肩を落とす横で、薬局長は整腸剤の瓶を開けている。


「バラバラだ」


中身を見たアマビエさんが、歓声をあげた。


「数が出ないのは手でやるけど、多いのは最初からバラになったのを買うんですよ。で、こっちに入れる」


機械の上部に、カセッター(小分け容器)が並んでいる。


「手でまかなくても、上から勝手に落ちてくるんです」

「合理的」

「バラとヒートの在庫管理は必要ですけど」


【薬局あるある】便利なバラ錠だが、これを買ったばかりにヒートの在庫が不足することがある。ゆめゆめ注意。

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