第13話「選択肢」
第13話-A面 毒島玲子はげんなりする。
うっわ、すげえ親だ。
アキラのヤツ、なんでこんなマイウェイな親から生まれてこんなダークサイド寄りの仕上がりになっちまったんだ?
謎すぎる。
それはそれとして、
「母ちゃんの渡してきた封筒すげえな。生活費とか言ってたけど分厚過ぎねえか?」
封筒がパンパンになってて縦に置いても立つんじゃねーか、コレ。
「半分御礼で、もう半分が見栄ですよ……。そういう人たちですから」
「オマエがこの家で過ごしやすいように、って親心もあんだろ」
「そんな真っ当な人じゃないですよ」
どんなもんかねえ。
アキラの色眼鏡越しの評価にはイマイチ賛成できねーが、まあアキラにはアキラの言い分もあるんだろーな。知らねーけど。
「そいやアキラの口座にも振り込んでるっつってたな」
「はい。多分、これと同額くらいは。きっと」
「すげー!」
「お金さえ出しとけばいいと思ってるんですよ」
「仕事で忙しい合間を縫って会いに来てくれた親にそういうこと言うもんじゃねえぞ」
「レーコさんには分からないですよ……」
あーあ、不貞腐れちったよ。
「はっ、そうかい。まあいいけどよ」
こいつのネガティブの根っこは
「んで、アキラよ。オマエどーするんだ? 返事明日までだろ?」
「……はい」
「ま、ちゃんと考えろや。選択肢が与えられてるだけマシなんだからよ」
その後、アキラは部屋に引き籠った。
「アキラちゃーん、ご飯置いておくねー」
昼飯を持ってきたエミがドア越しに声をかけてくるのも無視。メシを持ってきてくれたってのに、ベッドに潜り込んで顔も出さねえし返事もしやしねえ。
「あのね、部屋にいるから何かあったら声かけてね」
これもシカト。
どこまでクズなんだかな、このバカは。
……さて、アタシはどーっすかなあ。
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