58日目 Af部とPf部 後編

生徒会室にて


芽果はアゲハにAf部とPf部の過去について、今まで通り順を追って、話をしようとしていた。


目の前にあったお茶を1口呑んで、芽果は少し落ち着きながら話した。これから話すことは、柄本会長がAf部に対して、何かをした事を話すため落ち着いた。内心少し怒っているようだ。


〈芽果〉じゃあ続きを話すわね


〈アゲハ〉はい!お願いします


すると、芽果は過去について話した。



◇◇◇


〈柄本会長〉おし! 今からAf部いくぞ! 芽果、二神、坂尾!


すると、芽果たち3人はガタッと勢いよく椅子から立ち上がり、準備をした。


〈二神〉では! 行きましょう


〈芽果〉本当に行くの?


〈坂尾〉あの目見てください、もう止めるのはムリっすよ


〈芽果〉そ、そうね……


柄本会長は額に血管が見えるほど、悪い顔をしていた。まさに、悪魔の雄叫びのようにフハハハハハハ!! と笑っていた。


〈柄本会長〉よーし! いくぞ!


そういうと、Af部部室に向かった。


Af部は普通棟の2階にある誰も使われてない教室だ。E教室と看板が書かれた教室でAf部が部室として、使っている。この学校には各々A組、B組、C組までしかないが、教室自体はなぜかどの階にもA、B、C、D、E、F、Gまである。移動教室でも使われることがあるのだが、もっと他にも理由がある。ただ、『理由』があるのは4階のG教室だ。他の階のG教室は問題はないとのことだ。


生徒会室からはそこまで遠くはない。



ー Af部部室にて ー


〈璃音〉じゃあ次はこのチューリップを使って、アレジメントをしましょうか


〈鈴〉はい!


豊田璃音、この女性は現Af部部長で2年A組。いつも一つ縛りの三つ編みの髪型しているのが印象的で、花に関しては1度フラワーアレジメント大会優勝経験あり。現在はアーティフィシャルフラワー部門のフラワーアレジメント大会優勝を狙っている。鈴は学年が1年下の1年C組の女の子で、いつも笑顔でニコニコしてる子だ。鈴は高校からフラワーアレジメントを始める。


璃音、鈴たち他の部員たちは真剣にチューリップを使い、フラワーアレジメントをしていた。そこに柄本会長達がやってきた。


〈柄本会長〉たのもー!


と、ガチャッと勢いよくドアを開けた。


〈璃音〉ちょっ! なに!? びっくりした


〈柄本会長〉生徒会だ! あとチビチキン


と、亜音をバカにした風に紹介した。


〈亜音〉それ私のことでしょ! 英語にしてもわかるわ! チキンじゃないし、鳥羽よ! 鳥羽!て言うかチビってなに!?


亜音は柄本会長にツッコんだ。


〈璃音〉亜音……


〈亜音〉久しぶりね


〈璃音〉そういうことね、悪いけど今制作中だから後にしてくれる? 出てって


〈柄本会長〉悪いがそういう訳には行かないんだ


〈璃音〉は?


すると、柄本会長はニヤリとした。


〈柄本会長〉この部は今日で終わりだからだ


〈璃音〉何がよ? それにそんな簡単に部は潰させない!


〈柄本会長〉この部を潰すのが依頼だ、悪く思うなよ


〈璃音〉亜音! なんでそんな依頼を?


〈亜音〉あなたが悪いのよ……


〈璃音〉なんで? 私、亜音になにかした?この部を作ったから? それともあの時のことが理由?


〈柄本会長〉まて、その理由詳しく聞こうか? お前らの事は事情があって、部を作ったのは知ってるし、俺も認めた。だが、詳しくは知らない


〈璃音〉1年前、亜音と私は仲良くてPf部を作ったわ、けど私が耐えられなくなったの


〈柄本会長〉耐えられなくなった? なにを?


〈璃音〉花に対してよ。私は中学からプリザーブドフラワーを始めたわ、大会にもでて4年前に1度優勝もしてる。そのためか、私はプリザーブドでもう一度、優勝したい! そう思った


〈柄本会長〉ああ、それで?


〈璃音〉それで、私の心が耐えられなくなった。優勝という言葉が重くて、私は勝手にPf部を辞めた。その時少し亜音とは口論になったわ。そのあとまだ未練があるのか、このAf部を作ったのよ


すると、この話を聴いた柄本会長は一瞬過去の事が頭を過ぎった。それは『弟』のことだった。


〈柄本会長〉なるほどな


〈亜音〉別に辞めなくてもよかったのに……


と、小声で話した。


〈柄本会長〉ん? 亜音なにか言ったか?


〈亜音〉なにもない


〈柄本会長〉そうか、なら用は此処がいけないのか


すると、柄本会長はテーブルの上に置いてあったバラの造花を壊した。


〈芽果〉え!? 会長! なにしてるの!?


〈璃音〉ちょっと! なにしてるの!? 止めなさい!


〈柄本会長〉うるせえな! どけ!


柄本会長がこうなってしまったらもう誰にも止められない。


会長は、怪獣の如く暴れた。これは会長としての考え、そして亜音の依頼によって柄本会長はこの行動を起こした。とはいえ、この行動には目に余る行為だ。


この暴れた怪獣は手の付けようがない。芽果や亜音たちは見ることしか出来なかった。


璃音は壊れていくアーティフィシャルフラワーたちを見て、なにも言えず、ただ全身の力が抜け膝から崩れ落ちていった。唖然としていた。私もここまでなのか。それと同時になぜか体の想みがとれたようにも見えた。


ただ、見るしか出来なかった。


崩壊するAf部、鈴や他の部員も怖がり、うずくまっていた。


報告だけでもよかったのに、ここまで暴れ、造花を壊した柄本会長の意図とはなんだろうか。


ー 58日 Af部とPf部 後編 ー 続く













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