44日目 不器用

今日はある仕事を生徒会に頼まれた。


〈柄本会長〉よし!今日頼まれた仕事なんだが、量が多いから、みんなに手伝ってもらう


〈アゲハ〉どんな仕事ですか?


〈柄本会長〉図書館司書の瀬田先生から、図書館や学校内にある新聞のあのスペースとかに貼る用の広告のデザインを切り抜いて仕様どおりに貼っていく仕事だ


〈アゲハ〉へー!面白そうですね!


〈二神〉そうですね、最近は固い仕事ばかりだったから、これはいい仕事ですね


〈柄本会長〉そうか!じゃあ!始めようか!


5人はハサミやノリやテープ、用紙、カッターなどを用意した。


そして、アゲハはハサミでまず、ブタの形のデザインを切っていく。


〈柄本会長〉あ、そういえば、一応言っておく。多分ないと思うけど、カッターとかハサミとか使ってケガするなよ?


と、言ったそばからアゲハがハサミで切った。


〈アゲハ〉いたっ!


〈芽果〉たいへん!絆創膏あるから、はりなさい!


〈アゲハ〉ありがとうございます


〈柄本会長〉え?なにしてんだよ?今、おれ気をつけろっていったよな?大丈夫か?


〈アゲハ〉すみません


と、少し落ち込む。


〈柄本会長〉たくっ!次から気をつけろよ!


〈アゲハ〉はい


と、仕事を再びやりはじめた。


少し時間がたって、柄本会長がアゲハを心配し、チラっとみた。


〈柄本会長〉なに!おまえ!なんだそれ?


〈アゲハ〉え?


〈芽果〉ん?


〈道久〉どうかしました?会長?


〈柄本会長〉これは!一体!なんだ!?


〈アゲハ〉え?ブタと羊ですけど!?


〈柄本会長〉いやいや!!それはもうちがうなにかだろ!なんかどっちかというと!なんかゴジラみたいな!


〈二神〉これはやばい


〈柄本会長〉えーと?もしかして、不器用?


〈アゲハ〉はい!


と、笑顔で元気に返事をする。


〈柄本会長〉びっくりした!そんなに元気に返事されても?あ、わかった!お前、この簡単な...やっぱやめとく


〈アゲハ〉な!なんでですか!?


〈柄本会長〉いや、おれらの切ったデザインを貼ってくれ。そろそろ貼る人も必要だ!いいか!この仕様書どおりにやれよ!


〈アゲハ〉了解です


と、作業を進める。


〈アゲハ〉できました!


〈柄本会長〉そうか!みせてくれ(さすがに、貼るだけだから大丈夫だろ?)


と、アゲハの貼った用紙を見る。


それをみた柄本会長は言葉を失う。


〈柄本会長〉いや、あのな?これなんだ?


〈アゲハ〉え?


〈柄本会長〉え?じゃなくて!全然ちがうけど!?


〈アゲハ〉え?こんな感じじゃないんですか!?


と、仕様書をみせる。


〈柄本会長〉ちがう!いや、ちがわないけども!それ!反対だろ!普通はこっちだろ!?


〈アゲハ〉え!そうなんですか!?わかりました!


〈柄本会長〉おれが、甘かったな。とりあえずそれどおりやってくれ


〈アゲハ〉はい!


と、元気に返事をする。


〈柄本会長〉いや、だからそんな元気に返事されても...


アゲハは仕事を始めた。


そして、30分後。


〈アゲハ〉できました!


〈柄本会長〉そうか


と、用紙をみる。


〈柄本会長〉まあ、これならなんとか。これを同じやつをやってくれ


〈アゲハ〉はい!


〈芽果〉どうしたの?疲れたの?柄本会長


〈柄本会長〉え?そうか?アゲハが気になってな。あいつは頭がいいしやるときはやる子である意味ピュアな子なんだが、まさか、ここまで不器用だとは


〈芽果〉ふふふ、そうね、後悔してる?


〈柄本会長〉なにが?


〈芽果〉アゲハちゃんを生徒会においたこと


〈柄本会長〉んにゃあ、まったく。むしろアゲハでよかったと思ってる。さっきもいったが、やるときはやる子だ、ある意味ピュアだし。そして、ある意味期待してる、あの時のスボン部のようにね。凄くいい子だ。あの不器用さをのぞいて


〈芽果〉ふふふ、そうなんだ...


〈柄本会長〉なにわらってんだよ


〈芽果〉なにも


〈柄本会長〉あっそ


みなさんに告げる。アゲハの不器用さはハンパないですよ笑


ですが、あの柄本会長が信用した人間の一人。やはりさすがです。


これからどう活躍するのか!?


ー 44 不器用 ー おわり

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