君と出会ったあの日から

第1話 灰色の世界

この世界は灰色。

私の瞳には、この世界は灰色で色がなく見える。

実際にそう見えるわけではなく、そう感じるのだ。

なんで私はここにいるのだろう。

こんなつまらない世界にいて何になるのか。

私は、世界をつまらないと思い、自分の存在すら嫌っていた。

一歩外に出ればみんな笑顔で笑っている。

その光景に吐き気すら覚える。

“楽しそう”とは思う。

けど、どうすればそんな気持ちになるのかわからなった。

いや、忘れたのだ。

私も昔は笑っていた。

いくら、笑おうとしても笑えなかった。

笑えたとしても笑っているのかどうかもわからないほどの微笑みだけ。

でも、もうあきらめるようになった。

そうしてから、なんの感情が怒りなのか悲しみなのかあらゆる感情がわからなくなっていった。