桃太郎は笑わない

暇の三

第1話トランプの13①

「接続コネクト」本を見る


「〇年2月14日ー午前五時、50分ーー死亡


ーー死亡者、広原勇ひろはらゆう

その本に書かれた、死亡者は「自分」だーー事件の日付は「7」年前の

死因と、なんで死に至ったのか、その背景がだらだら書かれている


ーーこの本は「民俗学」の本だ、自分の欄にはこう書かれている

「六部殺し」と


「いや、まぁ死んでないんだけどな」

ーーこの本は。「theDead」と書かれた本だ、死を扱う「民俗学の本」


ーーそこに、書かれた「死」が対処可能なものは、対処する方法を

対処不可能なものは、対処不可能なままで

「--

そう、対処可能なものの中に、まれに「力」がはいってることがある

「力」とは、作者がそれを乗り越えるために最も適切だと思われる力のこと


接続コネクト」--それが「自分」の能力だ


ーーコネクトの力を一言でいうなら「精神感応」ということになろうか

(--見える、見える「相手」の動きが)


だがーー「へぶっ」

対処しに、動かそうとして捕まった

「あーあ、、、遅いお、対処できないんじゃ、意味ないんだお」

早鈴はやすず先輩がそう、声をかけてくる

「いや、お前が鬼なだけだ」

ここは柔道場ーー修行に手伝ってもらってる、いくら「接続」があっても対応できないんじゃ意味ないからだ

早鈴見里はやすずみさとー3年上の先輩にして、友達、ってか長なじみ

「まったくしょうがないお、もう、少しゆっくりやってやるんだお」

「おう、頼む」


「肥満デブのくせに、、、」

「なんかいったんだお」

ーー美里は、俗にいう「オタク」の一般イメージそのまんまっていうか

紅いハチマキと、髪型(坊主)声(無駄に、イケメン)以外はまぁ、そのまんまだ

「それよりなんで、勝負しようとおもったんだおーーぼくと「緑りん」では全然7違うんだお」

(主に、体重がな)

「なんか、いったんだお」

「いや、すまない、、、それより「もう一回」」

「おう、いくんだおーーそりゃー」


あの日から、7年か

ずーっと、ずーっと考えていた、、やはり「あのとき自分は」この力に頼るべきではなかった

定められた結末ーーー死ぬべきだったんだ


「いや、まぁ死にたいかっていわれると違うんだが、、はぁ家に帰りたくない

ーー毎日毎日よくやるよなぁ、あいつら」

あいつらとは、隣んちのおやじたちだ

はっきりいって、ののしりまくって全然楽しそうじゃない

ああいう家庭は作りたくない、そうもっとキュートで、エレガントな家庭を作るのが自分の夢だ

(子供は3人くらいほしいな、ん?)


ずっと考えていた、この本に頼ってまで生きるということはよくなかったんじゃないか

かって、「神童」と呼ばれた自分をそう考える


ーー自分は、そう、「接続」に頼るだけじゃことたりず、「役目」を放棄してしまった

そのことにより死ぬ人間だっていたはずだ

じぶんが、役目を放棄しなかったら、自分は今ここにいないだろう

だが、その代わり多くの人を助けられる

「まぁ、いまいってもせんないことか」


ーー家に帰る「ただいま」

「おかえりなさい」

昔から「式神」いや、生体ロボットの「涼子」だけが家族だ


他に家族はいないーー生まれた時から


涼子は、「神童」を支え、育成することだけを目的に作られた生体アンドロイドだ

「(肉なし)にくじゃができてますよ」

「(にくなし)にくじゃが、うまそーー」


5歳の時からずっとそばにいる、わけじゃなかったが

「なぁ、涼子」「---?」

「お前、もしも死ぬっていったら、どうする」

「---止めますよ、そんなことおっしゃないでください、涼子はあなたが「他の命令」よりも代えがたい存在であなたが、私の存在意義なんですから

っていうか、」

何かを握る涼子

「ずっとまってたんです、大人になるのを、涼子が「えさにするのを」

ぞくりとする目をした女がそこにいた

「じゅるり」

あ、これ、あかんやつだ

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