57日目 umbellata編5 意識

今日は、学校のある日。椿は放課後、一人で部室にいた。


すると、要が入ってきた。


〈要〉椿、昨日はありがとうな


〈椿〉ん?なにが?


〈要〉なんでもない。それよりクリケットのことなんやけど


〈椿〉おう、あの話か、どうだった?お父さんには話したか?


〈要〉いや、話してない。


〈椿〉え?なんで?


〈要〉だって、ここから離れたくないから


〈要〉たしかに、クリケットは好きだし、やりたい!けど、クリケットより椿たちといままでどおりに部活してるほうも、楽しいねん。だから、あたしは、この部活で頑張りたい!椿、ええやろ?


椿は、真剣な眼差しで要の目を見ていた。


〈椿〉...お前がそうしたいならいいよ。ありがとうな


〈要〉つばき~!


と、要は椿にくっついた。


〈椿〉おい!やめろ!わかったから!


〈椿〉でもいいのか?


〈要〉後悔してへんよ?あんたらとおったほうが面白いしな


〈椿〉面白いってどういうことだよ?


〈要〉いや、そのバカで個性的なキャラ?


〈椿〉だれが、バカで個性的だよ!


〈要〉そうやろー?だって!おまえあのじじいと共感してねんで!昨日!


〈椿〉だって!しょうがないじゃん!すごかったんだよ!


〈要〉すごくないわ!ただの変態やわ!


〈椿〉それ、おれも変態ってことになるぞ?


〈要〉なん?ちがうの?


〈椿〉ちがうわ!


〈スカイラー〉ゴホンッ!その辺にしてくれない?夫婦喧嘩は


〈椿〉ん?え?スカイラー?いつの間に?


〈要〉てか!夫婦喧嘩じゃないわ!


〈スカイラー〉あら?ちがったの?あまりにもべたべたしてたし


〈椿〉まて!スカイラーどこまで見てたんだ?


〈スカイラー〉なに?さっき要がちょうどくっつく瞬間からよ(気づけよバカ)


〈要・椿〉なにーー!?!?


〈一星〉アッハハハハ!楽しそうだな!


と、一星が部室に入ってきた。


〈椿〉じょうだんじゃねえよ!


と、そこに道久が入ってくる。


〈道久〉ん?どうかしました?


〈スカイラー〉じつはな


〈椿〉スカイラー!まって!


〈スカイラー〉じつは


〈道久〉ん?


道久にさっきまでのことを言おうとするが、椿がとめようとする。


要はため息つきながら、椅子に座る。


と、横にいつの間にか国分先生がいた。


〈要〉うわ!びっくりした


そして、しばらく椿たちを見ていた。


要はそれを見て思った。


〈要〉(みんなありがとうな。椿...ありがとう。すきやで)


と、言った。


要は椿のことを意識し始めたのかもしれない。


ー 57 umbellata編5 意識 ー おわり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る