第28話 デジャヴ

「さてと、じゃあ寝ますか!」


「おやすみ〜。」


「…おい。なんで僕まで一緒に寝る羽目に?」


「いいじゃーん、帰るのめんどくさいし、ベットは広いんだし、問題無いよね?」


「何言ってんの拓。問題大ありだよね?近いんだし戻ればいいし、3人はさすがに狭いよ?」


「これだからボンボンは…これで狭いって贅沢じゃなーい?」


「2人ともうるさい。寝て。」


「僕はこういう趣味はない!」


「俺だってないしー。てか自意識過剰すぎ。誰も魁斗を襲わないから〜。ねーあっくん。」


「そうだよ。だから早く寝て。」


「ほら、あっくんもこー言ってんだから、魁斗に惚れるやつなんて頭おかしいヤツだけだしね〜。」


「拓?最近僕への対応が少し冷た過ぎないかい?」


「そうかな〜?」


「早く寝てくれないー?」


「大体いつも僕は新と拓が来るのを屋上で待ってるのに最近は来やしないじゃないか。」


「それはあっくんが食堂がいいって言うから〜。俺のせいじゃないもん。」


あぁ…デジャヴ…


明日も遅刻決定だ…


俺は泣きながら眠気を吹き飛ばされる2人の言い合いを静かに聞いていた。


気がつけば2人は静かに寝ていて俺を抱き枕にしていた。


デジャヴ…


「俺が寝れないんですけど!?」


両隣を見れば綺麗な顔が!!


「修行が足りん!!」


魁斗が急に叫んだため俺はビクッとなって心臓バクバクだ。


「え?うるさっ!」


当の本人は何事も無かったかのように爆睡している。

ついでにたっくんも起きる気配がない。


結局その夜は俺は2人の抱き枕、サンドバックになり一睡も出来なかった。


てか魁斗って寝相悪すぎ…

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