第六部、真面目に仏教を語る

 十の境地を説明する。


 第一地、歓喜地。出家して仏の道にこれから至るのだという喜びの境地。

 第二地、離垢地。苦しみをなくす境地。

 第三地、発光地。一切皆苦のはずの生に有為なるものを発見する境地。

 第四地、燄慧地。幸せになり優しくなる境地。

 第五地、難勝地。他者を救済しようとするが自分は困難な境地。

 第六地、現前地。数億の諸仏が見えるようになる境地。

 第七地、遠行地。神通力が使えるようになる境地。(遠くへ救済に行く境地ではないらしい)

 第八地、不動地。万物が塵(微塵)でできていることを知る境地。(原子ではなく塵)

 第九地、善慧地。弟子に教える境地。

 第十地、法雲地。幸せな世界ができる境地。


 過去のことを記憶する。

 その生まれはかくかくであり、その姓名はかくかくであり、その食べ物はかくかくであり、その苦楽はかくかくであったとすべてのことを了知する。

 また諸仏の、御名はかくかく、眷属はかくかく、父母はかくかく、侍者はかくかく、声聞はかくかく、最勝の二大弟子はかくかくであり、かくかく王都を捨てて出家求道し、かくかくの菩提樹のもとで無上の悟りを得たまい、その教法の行われたことはかくかくであったと記憶する。


 清らかなること虚空のよう。

 かくの如く、正しく諸法を観察するに、皆ことごとく虚空のようであって、虚空の方便忍を説く。

 虚空に自性はなく、世間もまたこれに等しい。

 有性、無性の法は、平等なること虚空のよう。

 菩薩の音声は虚空の如くであり、身性もまた虚空のよう、虚空の知恵に安住する。


 もし、ここに一冊の経典があって、三千大千世界に等しいなら、三千大千世界のありとあらゆることが記される。

 もし、ここに一冊の経典があって、地天の宮殿に等しいなら、地天の宮殿のありとあらゆることをを記される。

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