私が私である事

ハナミ

第1話

小さい頃笑うほど笑った記憶がない。

覚えているのは、母の真っ赤なネイルが、私の頬を殴る。

蹴られる。

誰も助けてくれない。

弟がいたが、記憶にない。

感情が、欠落していたんだと。

母親をお母さんと、呼べなかった。

理由は分からない。

鬼婆と。

まだ、2.3歳の頃真珠のネックレスを壊した事がある。

鬼のような顔で家中を引きずられ、大きなハサミで髪を切られた。

どんな、状態かも分からないが服も切られ裸で外に放り出された。

不安で、怖くて、家の玄関の戸を必死に血が滲む程何度も叩いた。

暫くして、扉が開いて母は笑っていた。

あんたは、異常だと母に言われた。

私は怖いより、報復を考えた。

家の靴を全てダッシュボードに捨てました。

まだ弟の記憶がありません。

父になんで、鬼婆はこんな事するの?

と、聞くと広美に嫉妬してるんだよと。

「お父さんが広美を可愛がるから、やきもち焼いてるんだろうね。髪バラバラだから、お父さんが切るねと」



。。



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