音羽小香救出作戦編
第8ページ 悪魔の美少女との出会い
認証完了ーー『オーディナルナンバー”ビースト”音羽柚木』
スマホの画面に文字が浮かび上がり、秘密基地のゲートが開く。
掃除用具棚が変形し、地下へと繋がる階段が出現した。
中へ進むと一つの部屋にたどり着く。
そこには任務で使う特殊機器がズラリと並びーー『オーディナルナンバー』を持つ、数人の少女がこちらを向いて立ち並んでいた。
全員がスマートフォンを持ち、リーダーの俺が号令を掛けた。
「俺たちはこの世界を、正しい姿へと導く必要がある!行こう!『オーディナル!』」
☆
運命の日はあまりに唐突にやってくる。
「んなっ!?がっ!」
急な俺の叫び声で失礼した。
平凡な高校生だった俺ーー音羽柚木(おとわゆずき)が、世界を救うスーパーヒーローに成り上がるまでをお見せしよう。
切っ掛けは、急な美少女との運命的な出会いだった。
美少女と言えば聞こえはいいが……
あれを俺はーー”悪魔の襲撃”と呼ぶ。
「動くな!」
※
女の台詞ーー更に5秒前に遡る。
下の階にいた妹の声で目が覚め、裕福な朝を迎える筈だった。
「お兄ちゃーん!ご飯できたよー!」
「……あー今行く」
俺は適当に返事を返し、布団から渋々と起き上がりーー
机の上の、”スマートフォン”を手に取った。
寝癖のついた髪をボサボサと掻きながら、普段通りに自屋のドアノブに手を掛ける。
その瞬間。
突如謎の女が、俺の背後に現れた。
「動くな!そこの思春期男子!」
突如俺の身体は宙を舞う。
背後から足元を何者かにすくわれ、そいつは男子高校生の俺を容易にひっくり返す。
おそらく何かの体術。
天井を向いた俺の身体を、そいつは更にのしかかるように押さえ付けた。
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