第5ページ 緑のメガネ美少女


 振り返るとそこには、先程まで居なかったはずの少女が立っていた。



 緑のマントとマフラーを身に着けるーー


 ふくよかなバストと、低身長で小顔とメガネが特徴的な美少女。


 


 ロングマフラーを首に巻き、素顔を半分隠している。



「おおっ!いつの間に!?」



 するとわたわたとうろたえたように、少女が自身のスマートフォンの画面を俺に見せた。



「アプリケーションーー”インビジブル”です……!すいません!」



 インビジブルーー自身を透明化させる能力のアプリケーション。


 ターリアは相変わらず、弱気な性格だった。


 けれどだからこそ、このような隠密行動は『オーディナル』随一の働きを見せる。



 俺は迫り来る金下の方に意識を戻しながら、後ろのターリアに命令を言い残す。



「その子は任せたぞ!怪我させるなよ!」



 するとすぐに通信機から、アリスが台詞を吐いた。



«貴方がしっかり敵を倒しなさいよ。そうすれば彼女は怪我をしないわーーナンバー”ビースト” »



 ナンバー”ビースト”は、『オーディナル』での俺のコードナンバー。



ーー言われるまでもない。



「分かってる!俺が負けるかよ!」



 俺も敵目掛けてーー踏み込んだ。



 右手のエレクトリックショックを、奴の眉間に打ち込めば、確実に意識を奪って俺の勝ちーー


 勝ちのビジョンが頭に思い浮かぶ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る