オッサン幼児になる
異世界転生0日目-1
目が覚めると白い空間に……ってそれは前回やったから。
えーとオレどうなったんだ?
なんか誰かと長々話したりガチャ引いたりしてたような……
まあ覚えてるんですけどね。
今はベットの上で横になってる感覚が有る。
ん〜意識は覚醒したけど目が良く見えない。
なんか霞掛かったみたいにボンヤリとしてる。
おまけに体も動かせない。
いや動くんだけど、思ったように動かないって言うかモゾモゾ反応はするんだけど。
無事転生とやら出来たのか? 何かチョット不安になってきた。
自分の身体が思い通りにならないってこんなに不安なんだな〜
「%¢イエhghクォhfyck?」
ん? 何か声が聞こえたぞ。
なんて言ってるかわかんないけど。
イントネーション的にはオレに話し掛けてるっぽい。
なんか優しい感じの女性の声だ。
目が見えないと情報が一方通行でわけわか過ぎる。
よし、ここは早速スキルの出番だな!
努力すれば良いんだろ?
オレは『見る』努力を……
見る努力ってどうすりゃ良いんだ?
見るって見れば見えるだろう?
いや何言ってるかわかんないけど、見るのに努力ってした事無いからどうすりゃ良いか見当も付かない……
取り敢えず見ると言うプロセスを段階ごとに確実にやってみよう。
先ず見たい対象物の方を向く。
声のした方向はオレの右側やや上方だ。
そちらに頭を……
ぐぬぬぬぬ、動かねー
じゃあ体ごと捻って……
動くわけねー
ダメだ詰んだな……
そんな事を思っているとフワリとした浮遊感。
おお? これは? 抱き上げられた?
って言うかオレを軽々抱き上げられるって相手は巨人か?
その後「ポス」と柔らかくて暖かい何かに頭と体を押し付けられた。
あ、良い匂いする。
そのまま背中や頭を撫でられたりユラユラ揺らされたり。
その内自分の心臓の音と相手の心臓の音が一つになって……
めっちゃ安らぐ、凄い安心感。
もう見る努力とかどうでも良いや。
猛烈に眠くなって来たし……
………
……
…
いやダメだろ!
オレは手放しそうになった意識をギリギリ手繰り寄せ覚醒する。
転生していきなり状況もわからないまま惰眠を貪るとかアカンから!
「カhrjフkqbfフcイsjfk?」
相変わらず言葉はわからん。
まあ良い今度こそ見るぞ! 気合だ気合。
そう自分を鼓舞していると、僅かな衣ずれの音の後、口に何かを押し付けられた。
何か柔らかい、それでいて真ん中にチョット硬い突起が有って……
身体が勝手に反応したのか無意識に頬を窄めてその突起を吸っていた。
おわ! 突起からなんか出て来た!
生暖かい液体が口一杯に広がる。
なんだろう、味わった事ある様な無いような……
それでいて懐かしい様な?
気が付けば謎の液体を必死に吸って飲み込むを繰り返している自分がいる。
本能的に身体がそうする事を望んでいるかのようだ。
暫くそうしていたが流石に腹が膨れて来たので吸うのを止めると柔らかい何かを口から離された。
あれ?何でチョット残念な気持ちになってんだ?
「3イfヒqkbjcjsj?」
今度は違う声が聞こえた、男性っぽいの太い声だ。
「ウfhクォッjfjskfッッjカ」
「hヂsjqwfッhtwjxジ」
どうも会話をしてるっぽいな〜
くそ〜内容わかんねーの痛い。
目が見えない、言葉も分からないじゃ情報収集能力は現状ゼロだ。
どうせ異世界に送るなら言葉くらいわかる様にしてくれりゃ良かったのに。
等と考えていると……
「ウエyッgdクォjfjwj」
更に誰か増えた。
最初に聞いた女性の声とは違うけどこちらも女性の声だ。
あれ? 何か聞き覚えが有る様な?
再び浮遊感と共にオレの体は違う誰かに手渡された。
同じ様に抱き抱えられると先ほどの女性と比べて、なんて言うかもっと柔らかいと言うか弾力が有ると言うかボリューミー?
それに体全体が包まれると言う偉く未知の感触が……
「お久しぶりです。やっとお会い出来ましたね」
オレのわかる言葉を耳元で囁かれた。
やっぱりお前か! ポンコツ
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