第3話そこだけには当たって欲しくなかった
「全部で金貨18枚になります。」
「はい、どうも」
金貨、18枚、まぁそこそこかな
ギルドに来て換金をする
セレスは入り口前で俺が換金するまで待ってもらう
手に入れた金を懐にしまい
ギルドを出ようと出口へ向かうと
「やめてください!」
ギルドの扉の前でセレスが柄の悪そうな男たちに絡まれていた
「おいおい~エルフの嬢ちゃんや~、いいじゃなねぇか」
「俺らと一夜、一緒にいてくれるだけでいいんだよ。」
「へへへ何もしねーよ、でももしかしたら何かの間違えが起きてしまうかもしれないな~」
男達は嫌がるセレスを連れて行こうとしていて
セレスは記憶の一部でも思いだしたのかその場で座ってしまう
おそらく腰が抜けたのだろう
「おい、何やってるんだ?あんたら」
「ん?なんだ、このガキ~」
「俺ら冒険者様に何か口答えでもするつもりか~」
「おいおい、こいつに世の中の仕組みを教えてあげたほうがいいなぁ~」
ま~た、ありきたりなセリフを、もういいよ。そういうのいろんな人が聞き飽きてるから。
口々にそういう三人の男たちは、俺の服を掴み殴ってこようとするので
「緑魔法ビエント」
俺はビエントで風の壁を作る。
ここで豆知識だが、込めた魔力の量などで魔法の性質を変化できたりするのだが、例えば、ビエントならセレスに向かってやったのは、魔力の込め過ぎでなかば暴風になったが、逆にうまく魔力を制御でできれば、ビエントで風の壁を作りながら、その風の壁を圧縮すると、硬い硬い空気の壁を作ることができる
それを男がおもいきり殴る
「いっでー!?」
「何やってんだよ~」
「おいおい、演技派かおめ~うまいな~どれ俺が一発!いっでー!?なんだこれ見えない壁でもあるのか!?」
あるよ~空気を圧縮した壁がね~
「バカ野郎!俺が!」
「白魔法フラッシュライト。」
俺が魔法を放つとあたり一帯が光に包まれる
絡んできた三人だけではなくほかの人も巻き込んでしまったが許してくれ
フラッシュライトでは本来はその名の通りフラッシュライトのごとく一瞬だけものすごい光を放つだけの魔法なのだが、俺がやると一瞬ではなく、一定時間になる。
これも莫大にある魔力のおかげだ。
もちろん、これも込める魔力を変えれば本来の効果で発動はできる
初級の魔法の威力を底上げできたことに少しうずうずとしながらも次の魔法の発動を準備する。
続いて俺はなるべく小声で
「黒魔法サングラス」
その名の通りの魔法、しかしこれは俺が独自に作りだした魔法だ。
作ろうと思えば独自の魔法を作れてしまう。
まぁ、普通の魔法使いに会ったことないので、俺のこの新たな魔法を作るという点に関して普通かどうかわからんが、しかし俺は作れる
これは、以前に俺一人で旅してるときにフラッシュライト使った時に対抗魔法として作った。
そして、サングラスを発動しながら俺はセレスを見つけて、耳元で
「俺だよ、悪かったな外で待たせて、行こう」
セレスは何もしゃべらずただ俺の服をぎゅっとつかんだ
その場をフラッシュライトの効果が切れる前に俺とセレスは逃げる
昨日止まった宿「ヒガエリデスカ」に泊まることにして
宿の人に昨日と同じ部屋を借りたいとお願いして
俺らは今昨日と同じ宿の同じ部屋にいる。
「ここの宿は居心地がいいな」
「うん、そうね」
部屋にあるソファに膝を抱え頭を伏せて座るセレス
「いやなこと思いだしたのか?」
「・・・」
セレスはなにも言わずにただ頭をコクっと縦に動かす
「本当にごめん、一人で待たせた俺のせいだな。」
セレスは何かを言いたそうに一度顔を上げて、しかし何も言わずにまた下を向く
「俺に何かできることはないか?」
「それなら、きょ、今日は一緒に寝て」
俺はかたまった、自分の動きと、アソコが
「今なんて?」
「一緒に寝てって言ったの!」
「いやぁ、それはなぁ、ほら結婚前の男女がなぁ~そんなことを~」
俺の言わんとすることを理解したセレスは顔を真っ赤にすると
「バ、バカ!違うわよ!そういう意味じゃないわ!もう最低!あんたもそんなことしか考えてないの!信じられない!」
「うるせぇ!なら俺が勘違いする余地のないくらいにちゃんと説明しろよ!今日は怖い思いをしたからあなたので忘れさせて、とか!」
俺がそういうとセレスはソファから立ち上がり自分の寝るベットへと向かう
「もういいわ!一人で寝る!あの男たちより質が悪いわ!あんた!バーカバーカ!」
「そっちが誘っておいてなんだその言い草は!このエロフめ」
俺がそう煽ると
顔を真っ赤にしたまま
「エロフじゃない!」
「ほうほう~あんなにすごいものを身に着けておきながら~」
「嬲り殺す」
目がマジになったセレスが近づいてくる
おぉ、こわっ
「悪かったよ、冗談だからさ。一緒に寝て欲しいなら背中合わせってのはどう?」
セレスは胡散臭いものを見るそうな目をして
「そう言って私を犯す気?」
「犯すってお前な、そんなことしないよ。俺がそんなことをするように見えるか?」
「見える」
・・・
「あっ、そう」
俺が明らかにショックを受けているのを見てセレスは笑みをこぼす
「なに笑ってんだよ」
「ごめんね、あんたのショックを受けてる顔が面白くって」
このエルフめ!
「ふん!やっぱやめだお前ひとりで、」
俺が一人で寝ろよなと言おうとして
「お前、震えてるじゃねぇか。」
「そ、そう?」
俺はセレスの傍まで行ってその手を掴む
冷たい手からセレスの不安が伝わってくるようだった。
「はぁ、一緒に寝てやるから少し落ち着け」
セレスは握られたままの手をみて俺に言う
「あったかい、手離さないで」
なんだこの恋愛小説のような流れは!
俺はそう思い
セレスと向かい合って寝ることになった。
「背中合わせじゃなったっけ?」
「それじゃ、手つなぎにくいじゃない」
おい!なんなんだ!セレスがかわいく見えるぞ!おかしい
落ち着け俺、こいつは、バカで酒が好きで、エロい下着を着ている。
息子よ、落ち着くんだ。
緊張状態の俺と俺の息子を差し置いて先に寝息を立てるセレス
俺の中の悪魔がささやく
「いましかねぇぜ!いけ!行ける!」
天使が出てきてささやく
「だめですよ!」
さすがは天使!止めに来てくれたようだ
「ちゃんと、前戯をしてからですよ!げへへ」
しまった!俺の天使が意外にもゲス野郎だった。
俺は最後の柱、理性に身を任せることにした
たとえ、寝相でこっちにセレスの豊満な胸が近づこうとも
耐える
たとえセレスの柔らかそうな唇が近づいても
耐える
たとえ!
「暑苦しい!」
「ふごっ!」
俺は寝言でそう言ったセレスの言葉と同時に蹴られベットの下に落ちる
こいつ、寝相最悪だな。
俺はこいつに一緒に寝ようといわれてももう絶対に一緒に寝ない
っと蹴られた息子をいたわりながら自分のベットに行く
痛い。
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