ぬちょライフ〜スライムマスター♀の異世界ぬちょねちょ生活〜

お花畑ラブ子

はじまりのぬるぬる

ただっぴろい洞窟の中を粘液がこすりあわされる音が響き渡る。


ぬちゃ


ぬちゃぬちゃ


ぴちゃ


ぬちゃ


ぬめらぬめら


「いや」


ねちゃねちゃとした音のはざまで、声が聞こえてくる。


ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬにちゃぬちゃぬぬちゃ


ぬちゃ


「だめ」


ぬちゃぬちゃ


ぴちゃ


ぬちゃ


ぬめらぬめら


「いや!」


ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃ



ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬ



ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃ!!ぬちゃぬちゃぬちゃぬにちゃぬちゃぬぬちゃ!!


びちゃ!ぴちゃ!


ずりゅりゅりゅー!


「あ!」


ねちゃり


ぬちょっ


ぴちゃ



・・・ねちょり



あまりにも強い刺激のため、音声によりお送りいたしましたが、極彩色けばけばしいスライムに襲われて色々されているのは



屈強な魔王である。

盛り上がる大胸筋はてらてらと光り、漆黒の翼はしめりきってしまい、あたり一面に散らばっている。


はじめのうちは、


「がーはっはっはぁ!世界を統べるこのワシを倒せるものなどはいない。さっさと消え失せろ人間どもぁ!!」


と、魔王らしいとても尊大な態度で私を見下ろして言い放っていた。隆々ともりあがる筋肉!特に大胸筋が素晴らしかった。黒光りするその肉体を、惜しみなく晒し、まがまがしい装飾のされたマントを羽織っていた。


「幾人もの勇者屠ってきたこのワシが、貴様のような小娘を相手にするなど誰が考えようか。オークやゴブリンどもの慰み者にしてくれるわ」


その10分後。



「ら、らめぇええええええ」


魔王城の中を野太い声が響き渡る。


その様子を、なんとも形容しがたい顔で眺めていた冒険者たちがいた。


その中央に立ち、得意げな顔で腕を組みふんぞりかえって立っている少女がいる。


身長140センチ弱!


体重 ひ・み・つ!


バスト き・く・な!(怒)


な、この私!


日いづる国、日本から転生してきた、


弥山みせん 紅葉もみじその人なのだ!




鮮血のような赤髪にゴテゴテとしたゴーグルをかけ、火よりも濃い赫い衣装に身を包む。

「最弱?雑魚?笑いたきゃ笑いな。想像力は力なんだ!そのことに気づかないから足元をすくわれたんだ。気づいた時にはあんたは、とっくに!ぬちょぬちょだ!」


なんともしまらない決め台詞ではあったが、彼女はものすごいどや顔で高らかに笑い飛ばす。


「あーはっはっはっはっは!」


仲間たちはなかばあきれ、魔王のほうはと言うとびくんびくんと痙攣をしていた。お見せできないのが残念である。威厳もクソもへったくれもない。


賢明な読者はお分かりだろう。この物語はスライム遣い(スライムマスター)である紅葉が、異世界に置いて最弱のモンスターであるスライムを使って、知恵と勇気と悪知恵を駆使し、世界を征服していく物語である!!!

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