うちには猫が3匹いる。


名前を呼ぶと、あくびで返事、耳で返事、しっぽで返事をする。


それでもしつこく名前を呼び続けると「ニャ」

と短く鳴いて返事をくれる。


返事をくれる者もいれば、

圧倒的に無視をつらぬく者もいる。


3匹いるが、3匹とも

鳴き方、泣き声、好きなご飯、好きな場所、

遊ぶおもちゃ、肉球の色、性格がちがう。


一番年上のオスの一番でかい子。

瞳の色がエメラルドのように綺麗なグリーン。

こやつは肝っ玉が座っている。

お風呂が嫌いであるくせに、湯船をのぞき込む癖があり、

過去に足を滑らせて落ちたことがある。


図体のデカいやつの動きはのろい。

おもちゃにはなかなか食いつかないが、たまに食いついて遊ぶと

本当に猫かと疑いたくなる動きをする。



真ん中の子はミルクティー色をしたメス。

こやつは食いしん坊。食という食に目が無い。

おまけにグルメ。カリカリなんて食べない。

可愛さゆえに甘やかしたせいで、とんだ金のかかる子になった。

人間でも猫でも、甘やかしすぎはろくなことにならない。



一番の末っ子は、甘えん坊。

この子は私が唯一仔猫の頃から一緒にいる。

手のひらにのりそうなくらい小さい時は、

歩いているのか転がっているのか見分けがつかないような

オボついた足取りで、こんなもの、目を離したスキに

ぜったいにどこかの隙間に入ってすぐ死ぬと思うと

こわくて目が離せなかった。


今はすっかり、大きくなって、私よりも遥かに高いところに

軽々と登る。



荷物が届いて、その段ボールをおいておくと

中に入っている。


基本的に静かで、よくそこらへんに寝転んでいる。


寝相は想像以上に悪く、腹を向けて手を投げ出し、

気持ち良さそうな顔で

寝ている。


たまに寝言をいう。



でも、名前を呼ぶと返事をしてくれる時は

あくびか耳かしっぽである。

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