第三章:殺意の侵食
「何かあったんですか?」
天寺へ視線を戻し訊ねると、なんとも困りきった様子で肩を竦めてみせた。
「何かもう、警察にすっごい疑われたらしいのよ。ほら、あのハンカチのせいでさ」
「ああ……」
それは仕方がないだろうな、と絵夢は思った。
あんな場所に第三者の私物が落ちていたら、誰だって不審に思う。
警察だって念入りに話を聞き出そうとくらいするだろう。
「でも、別に犯人扱いされたわけではないんですよね?」
「どうだろ。光野さんたちとの関係やらライヴ開始前後の行動やら、かなり細かく質問されたらしいし。身体検査も、話聞く限りだとわたしらの倍は時間かけてたみたい」
ポンポン、と天寺がまるであやすように日向の頭に手をやる。
「それに、事情聴取をしてる最中ずっと睨まれてるように感じて恐かったんだってさ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます