第一章:殺意の萌芽

「たぶんってあんたねぇ……、まぁいいや。もし叱られても、わたしは絶対助けないからね」


 いろいろと言いたそうな様子の天寺だったが、諦めたようにそう告げると一人背を向け歩きだした。


「問題ありませんって。七見さん、なんだかんだ言っても優しいですから」


(七見?)


 七見さんというのは誰のことだろうか。


 少なくともレイニーメンバーの中にはそんな名前の人物はいなかったはずだ。


 となると、スタッフのリーダーみたいなまとめ役を担う立場の人物か。


 絵夢が何とはなしにそんなことを考えていると、


「じゃ、とりあえず行きましょう!」


 日向が天寺を追うように歩きはじめた。


「なんか凄い展開になりましたね、やっぱり早めに来てラッキーでしたよ」

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