消えた夏の日

雪鳴 月彦

プロローグ

         【1】


 皮肉なものだな、と私は思う。


 四年前に起きたあの悲劇が、私の人生を大きく変えた。


 時間が止まったとでも言えば良いのか、心にぽっかりと穴が開いたような、そんな気持ちで今日まで生きてきた。



 復讐という、ただ一つの目的を果たすためだけに。



 私にとってたった一人の妹を殺し、それを単なる事故の一言で片付け、自分たちの罪を逃れたあの許しがたい連中。


 奴らをこの手で裁く瞬間を、どれほど待ち望んだことか。


 私は、机に置かれた写真を手に取った。


(愛美まなみ、もうすぐだよ)

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