習作「ドアがノックされた」

じくぅ

あるヒットマンの話

 ドアがノックされた。

 四回。仕事の合図だ。


 私は殺し屋。完璧な任務遂行を求められる職業だ。

 今まで数多くの命を奪ってきた。

 そんな私に依頼の手紙が届いた。

 ドアの隙間から差し込まれる封筒には、ターゲットの様々な情報が書かれている。

 住居や年齢、身体的特徴、その他様々な内容が記載されていた。

 今回も大量殺戮をしなくてはならない。数の多さにため息が漏れる。

 手紙の最後の一枚に目を通す。依頼主の熱意ともとれる言葉が綴られている。

 ただの憎しみに駆られてではないようだ。

 少し安心した。余計な邪魔が入ることはなさそうだ。

 あまり人は近づけたくない現場だからだ。

 情報は揃った。死体を入れる大きめの袋や防護服、今回使う毒薬を選択する。


 完璧だ。さぁ行こう。スズメバチを駆除しに。

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