何気なく、他愛もなく、はてしなく。
部坂 綾咲
こころの精神安定剤
途方もなく長い道。
途、でもあるし、未知でもある。
しかし、どうしても歩まなければならないのが、人という路である。なんともはてしなく、長い道のりなのだろうか。
若いころは、それはおもしろく楽しいものであった。勉学に励んだり、未来についてどうしようもないことを考えて笑ったり、夢を描いてがむしゃらに走ったりしたものである。しかし、歳を重ねるにつれ、現実というものが止めどなく押し寄せ、その重みに耐えきれなくなり、夢をみることも、希望を持つことも、そしていつしか笑うこともなくなってしまった。
気がつけば、多くの病気に苛まれ、やがては心まで蝕まれ、心身ともに立ち直ることのできない状態になってしまった。いわゆる、社会の波というものに、私は勝てなかった。医師から多くの薬と診断書を渡され、やがて社会から姿を消していく。
ーー嗚呼、なんて色のない世界なんだ。
そんなことを、よく思ったものである。色があるはずなのに、モノクロにしか感じないのだ。
それでも、こうして生きながらえているのは、なんだか不思議なようでならない。神様が、お前にはまだやらなければならないことがある、とでもいっているようだ。
これまで毎日のように綴っていた日記もいつしか辞めてしまったが、また筆を取ってみようか、と思うようになったのはごく最近のことである。元々作家志望でもあった私は、やはりなにかを綴って頭を整理したほうがよさそうなのである。
なにかを記録しておく。そうすることで、モノクロから、カラーへと変わっていくかもしれない。
と、まあ重苦しい文章からはじまったが、自分の感じたこと、笑ったこと、体験したことなどを徒然なるままに綴っていこうと思う。
人生、まだまだ長い。どうせなら、笑っていたほうが得する、というものである。そうしてここが、こころの精神安定剤となるように。薬物中毒ではないが、ふふ、と笑える時間となれば。これ幸いなことである。
お気楽に、お気楽に。どうぞお付き合いしていただければ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。