第20話 仮染めの新婚生活


 試験期間、学生達は忙しい。

毎日テスト。それが一週間も続く。

テストの結果は週明け。それまでは全員が一致団結しレポートと過去問のコピーが出回る。


 学食で優希を待つ。そろそろ来るかな?

しかし、目の前に現れたのはサークルの後輩。


 北川望海(きたがわのぞみ)は優希と同じクラスで同じサークル。

優希と仲が良く、一緒にいる所をよく見る。


「先輩、ちょっといいですか?」


「どうした? 今日は優希と一緒じゃないのか?」


「優希ちゃんは購買でコピーしてます」


「そっか、話って?」


「あの、最近優希ちゃんと先輩、良く一緒にいますよね?」


「いるな。それが何か?」


「あの……、ここ最近変わった事無いですか?」


「いや、特に何も」


「そうですか……。連絡先教えてもらっていいですか?」


「俺のか?」


「はい。優希ちゃんの事で相談したいことが」


「別にいいけど」


 その場で連絡先を交換し、北川は去っていく。

何だ突然。優希に何かあったのかな?


 そして優希がやってくる。


「遅くなりました! 購買のコピー機混んでますね」


「この時期は長蛇の列だ。授業を早めに抜けて、ダッシュするのがお勧めだぞ」


「なるほど。そんな手があったんですね」


 優希と一緒にご飯を食べて、午後授業を受ける。

そして、放課後は俺の家で勉強会。


 そんな日が繰り返され、試験の最終日の放課後を迎える。


「終わりました! 多分赤点はないと思います!」


「それは良かったな。俺も多分大丈夫だろう」


 試験も終わり、週明けに結果が分かり、その後は楽しい夏休みだ。

短期のバイトもするもいい、旅行に行くのもいい。

実家に帰ったり、ゲームにのめり込むのもいい。


「夏休み、純君は実家に帰るんですか?」


「俺か? 今年は帰らない。短期でもいいからバイトでもしようかなって」


「バイトするんですか?」


「少しな。優希と遊ぶお金位欲しいし」


「純君やさしー! 私は実家に一度帰りますね。お盆だけですけど」


「ま、一年目だし、実家に帰ってゆっくりしてくるといいよ」


「寂しくないですか?」


「ないない」


 ちょっと嘘をつく。


「そうですか……。私は寂しいですよ。純君に会えないのが」


 可愛いやつめ! 早く帰ってこいよ!

土日は二人でマッタリ過ごし、週明けの結果発表。

お互いに追試もなく、めでたく夏休みを迎える。


 学校が無いともう大変。

毎日が自由だ。課題は出ているけど、大した事は無い。

毎日俺の家で優希と過ごす。


 ご飯作って、一緒に出掛けて。

夜も共に過ごす。


 バイトも武本先輩のつてであっさりと決まり、週四で入る。

時給千二百円。主にパソコンのサポートやパーツの組み込み。

先輩のバイト先で人が足りなくなったらしい。


 たまたま先輩にバイトの相談をしたら紹介してくれた。

自作のパソコンを作れるようになっていて良かった!

しかも、俺が欲しかったグラボとメモリを先輩がくれたし!

先輩、ありがとうございます!


 バイトも終わり、自宅に帰るとエプロンをつけた優希が出迎えてくれる。


「お帰り。ご飯にする? お風呂にする? それとも、しちゃう?」


 お馴染みのセリフ。

バイトから帰ると毎回聞いてくる。

初めはご飯だったけど、最近は帰宅後にそのまま一緒にお風呂に入る。

そして一戦を終わらせてから、ご飯を食べる。


「何だか新婚さんみたいで楽しいですね」


「そうだなー、こんな生活も悪くないなー」


 一緒に微笑みながら食事をして、借りてきた映画を見る。

毎日が楽しくてしょうがない。

こんな毎日だったら、優希と一緒になってもいいよな。



【後書き】

こんにちは 紅狐です。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


さて、皆様いかがでしょうか?

純平と優希、普通にカレカノしてますよね?

そう、カレカノしてるんですよ。


これから、この二人がどうなるのか。

そして、純平がどうなっていくのか……。


なお、これから先は心が強い方のみお読みください。


もう一度言います。


これから先は心が強い方のみお読みください。


警告、しましたよ。


では、また次話でお会いしましょう……。

引き続き当作品をよろしくお願いします。


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正直胸を痛くしながら更新しております。

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