可愛い後輩の選択 ~寝取られた彼女、そして俺が最愛の人と結ばれるまで~

紅狐(べにきつね)

第一章 出会い

第1話 彼女との出会い


 大学二年になった俺は、同じサークルの後輩と付き合う事になった。

大学一年の頃は寮だったが、二年目からは一人暮らしだ。


 馴れない一人暮らしの中、新一年生としてであった彼女。

身長140センチ、ショートカットで目がパッチリとした子。

しかも、初めて出会ったときはかなり短いスカートで今でも思い出せる。


 たまたま彼女は俺と同じサークルに入り、たまたま近所だった。

彼女は一年から一人暮らし、しかも地方から来ており、友人も親戚もいない。


 そんな中、彼女が選択したサークル活動。

歓迎会で大学近くの居酒屋に行き、先輩たちが騒ぐ。

未成年メンバーも多く、俺もその一人だった。


 彼女の見た目は結構可愛く、短いスカートが先輩たちの目に着いたのだろう。

飲み会の時間が経過するにつれ、彼女の周りに男が多くなっていく。


 素面(しらふ)の俺はいつも同じ。

飲み会で最後まで安全、安心を届ける。

忘れ物、かやづけ、会計を一年の頃からやっている。


 新一年生に嫌な思いをさせる訳にはいかない。

さて、そろそろ仕事の時間だな。

俺は彼女の周りにいる先輩たちに声をかける。


「先輩、そろそろ会計の時間ですよ。今日は歓迎会なんですから、しっかりとしてくださいよ」


「わかーってるぅ! 任せろ! 最後は俺のいい話で締める!」


 彼女の隣に座っていた先輩は上座に戻り、締めの挨拶をする準備に入った。

まったく、飲み過ぎは体に悪いのに。

ふと気が付いたら、隣にいた彼女が机の下で俺の太ももを指さしている。


 こっちを向き、笑顔になっている。

どうやら俺の行動は正しかったようだ。


 先輩のありがたいお話も終わり、二次会になる。

飲みに行くやつは先輩に着いて行く。

俺は飲めないし、巻き込まれたくないので、さっさと帰る。


「ではー、これで一次会は終わります! お疲れ様でしたー!」


「「おつかれでしたー」」


「よし、次だ次! おっまえらー、朝までおーるだぜー」


 夜道に響く先輩の声。

まぁ、酔ってますからね。


 さて、俺も帰ろう。

大学近くの飲み屋から、大学近くの俺のアパート。

近くって素晴らし―!


 途中のコンビニでおやつとジュース。

明日の朝に食べるパンも買っておくか。


 レジに並ぶ。


――ピッピッピッ


 突然俺の会計中のパンの隣に、紅茶のペットボトルが現れた。

ん? 後ろの客か? 会計位待てないのかよ?


「せーんぱい? ご帰宅ですか?」


 彼女だ。


「なにしてんだよ? 早く帰れよ」


「私のアパートもこっちなんですよ」


「で、これは?」


「ご馳走様です、先輩」


 俺は彼女の分も会計する。


「気を付けて帰れよ」


 コンビニを出て買ったコーヒーを飲む。

俺のアパートはすぐそこ。


「夜道に女の子一人ですよ? しかも金曜の夜」


「で、俺にどうしろと?」


「私のアパートまで送ってくれてもいいですよ」


 笑顔で俺の腕に絡んでくる。

ちっ、悪い気がしないじゃないか。

もしかして、俺の事気にしてくれるのか?


「アパートどこだよ」


「向こうの方です」


 それじゃわかんねーよ。


「近いのか?」


「すぐそこですよ」


 暗い夜道を二人で歩く。

俺に絡んでくる彼女の胸が、俺の腕に触れる。

この時俺は少し浮かれていた。

もしかしたら、俺に気があるんじゃないかって。


 これは、まだ俺と彼女が付き合う前の話だ。

そう、出会った頃はまだ……。


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