第130話 事件解決
今回、小型金庫の方には注目していない。
メインは教室の方だ。
ティが教室に入ってくる人物を捉えた。
予想通りジャスガだ。
メイリーンも従えている。
「そろそろ、やばいんじゃない」
とメイリーン。
「この仕組みが軌道に乗れば俺は教授だ」
「そう上手くいくかしら」
「四人やって、捕まったのは一人だけだろ」
「学園もそろそろ対策をとってくる頃だと思うわ」
「心配いらないさ。秘術があれば論文なんて盗み放題だ」
ジャスガはその後、メイリーンを見張りに残し、自分は授業の準備を始めた。
「来たわ。小型金庫よ」
「よし、ソクチス・ミイナカスニミラレ・
ソクチス・カイリイセチカクンガヌワワムレ・
ソクチス・モチニミゆヒラニシよ・が・
モチキニソ・けモセレ・
モセほモチキニソろモチノイゆおミイナカスニミラネトニツイラハゆミイナカスニミラよネニモチキイイミイスキンよレ・
モチキニソろモチミニセナリチカイゆモセネカイリイセチカクンネトニツイラハゆカイリイセチカクンよよレ・
スイカナスミゆミイナカスニミラよレ・む」
そして、ジャスガは何度も同じ呪文を唱えた。
「今回は不作だな。ろくなのがない」
「その秘術って不思議ね。なぜ私には発動できないのかな」
「ふん、才能の違いって奴だろ。俺は天才だからな。それよりさっきから見られている気がするんだ」
不味い。
ティよ、置き去りにする事を許してくれ。
俺は感覚共有を切った。
さっきの呪文はどういう仕組みかな。
解析に入る。
char neutrino; /*ニュートリノ*/
char telepathy[100]; /*テレパシー*/
char main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
mp=magic_make(&neutrino,sizeof(neutrino),IMAGEENERGY); /*ニュートリノを魔法に登録*/
magic_manipulate(mp,telepathy,sizeof(telepathy)); /*魔法をテレパシーで動かす*/
return(neutrino); /*ニュートリノの情報を返す*/
}
なにっ。
まさかのニュートリノ。
それにテレパシー。
俺は早速この魔法を発動してみた。
何も情報は得られない。
ニュートリノってあれだよな小さすぎて物質を通り抜けるんだよな。
それをテレパシーで操るのか。
メイリーンは発動できないって言っていたよな。
これはあれか、テレパシーを持ってないからか。
ドラゴンが万能でもテレパシーは持ってないらしい。
ジャスガの奴はエスパーという事だな。
だが、俺にはプログラム能力がある。
char neutrino; /*ニュートリノ*/
char main(int argc,char *argv[])
{
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
mp=magic_make(&neutrino,sizeof(neutrino),IMAGEENERGY); /*ニュートリノを魔法に登録*/
magic_manipulate(mp,argv[1],strlen(argv[1])); /*魔法を入力で動かす*/
return(neutrino); /*ニュートリノの情報を返す*/
}
こんなのでどうだろう。
長さを求める『strlen』の魔法語が分からないので自作した。
int strlen(char *s)
{
int i;
i=0; /*カウンターをゼロに*/
while(*(s+i)!='\0'){
i++;
} /*このループで入力のサイズが分かる*/
return(i);
}
魔法を実行するとニュートリノが情報を運んでくる。
成功だ。
ミニアに伝言魔法してジャスガの逮捕とティの救出に向っていってもらった。
ミニアが学園の警備をつれて踏み込むとジャスガはあっけにとられていたそうだ。
ティは何もされていなくて無事に俺のゴーレムに収納された。
そして、俺は理事に呼び出された。
「困った事になっていてね。現場にあった盗作された論文で証拠は充分なのだが、ジャスガの秘術が誰も真似ができない」
「あれは特殊能力を持っていないと駄目だよ」
「ほう、証明できるのか」
「紙に何か書いて伏せてみろ」
理事は俺の言う通りにした。
「紙に書いたのは『本日は雨です』だろう」
「ええ、正解です。あなたも特殊能力を」
「似たような物だ」
「これですっきりしました」
「それで結末はどうなるんだ」
「ジャスガは魔法都市の暗部が引き取ります。幸い彼は戦闘能力が皆無なので逃亡の恐れがない。暗部にはぴったりの人材です。メイリーンは彼が庇ったので、一緒に暗部に引き取らせようかと考えています」
「ふーん。まあ良いんじゃない」
「良くはありませんよ」
「どういう事」
「ジャスガの情報で教授達の不正が暴かれたのです」
「それは俺の責任じゃないな」
「もう少し手伝って下さいよ」
「まあ良いけど」
俺は教授達の不正を暴かにゃならんらしい。
これで本当に終わりだろうな。
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