第57話 ゴーレムとの戦い
筋力強化の魔道具を起動したミニアがゴーレムに突っ込んで行く。
ゴーレムは巨体なのに素早い動きだ。
ミニアの剣を楽々とかわした。
ピッパはブレスを吐いたがゴーレムに弾き返される。
ノーダメージのようだ。
こらピッパ、ゴーレムに肉弾戦を挑むんじゃない。
静止の伝言魔法を無視して突進したピッパはゴーレムのパンチを食らって壁に叩きつけられる。
そこで俺の感覚共有は途絶えた。
やばい、ピンチってやつじゃないのか。
ミニアに遠距離攻撃に徹しろと伝言魔法した。
そうすると返事が返って来たところから余裕はまだまだあるようだ。
あなたの騎士が今、駆けつけますぞ。
俺は亀裂を構成している岩盤に胃液のブレスを叩きつけた。
前足を器用に使い岩盤を掘り進む。
駄目だ。
ドラゴンはあまり穴掘りには向いてない。
こんな事をしている間にミニアが。ミニアが。
こんな時こそ魔法だろう。
いそいで構築に取り掛かる。
この魔法の肝は『IMAGECOLUMN』だ。
ストーンバレットを構築する呪文をもらったのを解析して円柱の魔法語が分かった。
とにかく円柱の消去魔法だ。
char earth[1000000]; /*大地百万立方センチ*/
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
mp=magic_make(earth,sizeof(earth),IMAGECOLUMN); /*大地の円柱を魔法として登録*/
magic_delete(mp); /*大地を消去*/
}
このイメージで魔法を作って実行した。
成功したのか。
ドラゴンの目が真っ直ぐ開いた十センチ大の穴から届く光を捉えた。
距離にして約三十メートル。
ゴーレムの金属の肌が見えたぞ。
よし攻撃だ。
MAGIC *fire_column_make(long columnsize)
{
char *column; /*火の玉のデータ*/
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
long i; /*カウンター*/
ball=(char*)malloc(columnsize); /*円柱の領域確保*/
if(ball == NULL) { /*確保失敗 この場合は魔力切れ*/
exit(EXIT_FAILURE); /*処理の終わり*/
}
mp=magic_make(ball,columnsize,IMAGECOLUMN); /*魔法を作る*/
for(i=0;i<columnsize*100;i++){
*(&column[i])=FIRE; /*領域を火属性にする*/
}
magic_trans(mp); /*現象に変換*/
return(mp); /*魔法の情報を返す*/
}
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
char orbit[4000]; /*軌道データ*/
mp=fire_column_make(1000000); /*炎の円柱を生成*/
magic_straight(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*円柱をまっすぐの軌道で*/
magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*飛ばす*/
}
このイメージの魔法を放った
三十メートルもの細長い炎の円柱が穴に入って行く。
たぶんミニアにはレーザーがゴーレムを貫いたように見えただろう。
伝言魔法でミニアの安否を確かめる。
良かった無事なようだ。
後は帰りを待つだけだな。
しばらくしてピッパをおんぶしたミニアが亀裂から現れた。
「おみやげ」
ミニアは金属の板に書かれた魔法を幾つもアイテムボックスから取り出した。
その内の一つを解析する。
char space1[40000]; /*空間の定義*/
char space2[40000]; /*空間の定義*/
void main(int argc,char *argv[])
{
teleport(space1,sizeof(space1),space2,sizeof(space2)); /*テレポテーション*/
}
これ転移魔法だ。
魔力コストはどれぐらいなのだろう。
さっそくピッパを使って実験する。
静止を聞かなかった罰だ。
魔法を使うとピッパはいきなり空中へ放り出されて、翼で羽ばたくも間に合わず荒地に落ちる。
「ボス、ひどい」
「すまん、すまん。目視だと何もない所の座標を指定するのは難しい」
ピッパとドラゴンの言葉で会話した。
実験の結果以下の事が分かる。
2メートルの大きさの物が転移できるようだ。
魔力コストは810だ。
ミニアが魔力増強の魔道具を沢山使えば一回は行使できる。
ミニアは2メートルも身長がないので1メートル半で呪文を作る。
魔力コストは460だ。
これでもミニアは行使できない。
でもだいぶ減った。
ミニアに切り札としてコンパイルしておくように伝えた。
「ミニアちゃん、どこ行ってたの。戦争が始まるのよ」
帰ってきた豆腐ハウスの前でリタリーが俺達を見つけ大慌てで言った。
「くわしく」
「前から小競り合いはあったけど。前線の陣地を構築している部隊が襲われてなし崩し的に戦争に」
どうしたもんかな。
一回だけ戦争につき合うか。
ミニアの母国の危機だからな。
俺は参加の意向をミニアに伝えた。
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