第52話 洗脳解除
ピッパの洗脳が解けない。
どうやら隷属魔法に掛かったようだ。
マスターチェックの魔法をやった。
ちなみにマスターチェックの魔法のイメージはこうだ。
void main(void)
{
TEL *tpi,*tpo; /*魂と伝言魔法定義*/
char s[256];
tpi=topen("セニセセチ.soul"); /*ピッパの魂を開く*/
tpo=topen("テニツチスシ"); /*俺の伝言魔法あて先*/
while(tgets(s,256,tpi)!= NULL){
if(master_heder_ck(s)==1){ /*隷属主が記録してあるデータか判断する*/
tprintf(tpo,"%s",mastername(s)); /*隷属主を伝言する*/
}
}
tclose(tpi); /*閉じる*/
tclose(tpo); /*閉じる*/
}
魔法名『リナキチスシ』が現在のマスターだ。
マスターが死んでいないって事は洗脳が解けていない事からも分かる。
隷属魔法って上書き出来ないかな。
void main(void)
{
TEL *tpi,*tpo; /*魂の定義*/
char s[256];
tpi=topen("セニセセチ.soul"); /*ピッパの魂を開く*/
tpo=topen("temp"); /*仮魂を開く*/
while(tgets(s,256,tpi)!= NULL){
slave_change(s,""); /*隷属主なしに書き換え*/
tputs(s,tpo);/*書き換えたデータを出力*/
}
tclose(tpi); /*閉じる*/
tclose(tpo); /*閉じる*/
system("copy /-Y temp セニセセチ.soul"); /*出力した魂を元の魂に上書き*/
}
これでやってみる。
駄目だ。
拒否されたようだ。
相変わらず敵は殺すと叫びながらブレスを撃っている。
丈夫な皮で口を縛り閉じさせた。
なんだが捕まったワニみたいだ。
少し可哀相だ。
意識を朦朧とさせて正常な判断を出来なくするそんな薬があればな。
あれ、あったなそれ。
俺が怒りに我を忘れたのがあった。
でも、今回の襲撃で発見されたという報告はないから、あいつが持っているのだろう。
あいつを見つけるまでこのままというのはどうもな。
そうだあの薬ってウィッチが出してた臭いが元になっているのは間違いない。
ピッパに本物を嗅がせたらどうなる。
ウィッチは協力してくれるかな。
伝言魔法で恐る恐る申し出る。
いいわよのあっさりした一声。
そのかわり魔法の知識を要求された。
まだ教えてないのは沢山ある。
問題はない。
ロープでぐるぐる巻きにしたピッパを乗せてウィッチの島に急ぐ。
島ではウィッチが獲物を獲って待っていた。
随分と待遇が良いな。
なんか気味が悪い。
「さあ、始めてくれ」
「駄目よ。今ここで臭いを出したらあなた盛っちゃうじゃない」
おお、そうだな。
隷属魔法解除の呪文をウィッチに教え島を後にして、大湿原のすぐ側のギルドに行った。
ギルドにはドラゴン専用と書かれた巨大な洗い場がある。
そして、ドラゴン様どうぞお召し上がり下さいと書かれた柵があり、中には牛が数頭飼われていた。
どうなっているんだいったい。
ミニアに対する歓迎ぶりも凄まじい。
ギルドから出てきたミニアの口の周りには甘い匂いがした。
菓子を食べたな。
砂糖は高級品だ。
手にも菓子の匂いがする手土産があった。
この事態は分からないが、ウィッチが上手くギルドと付き合っているのだろう。
仲がいいのは良い事だ。
島に帰るとウィッチに懐いているピッパの姿がある。
ピッパは俺には威嚇する雄叫びを上げた。
「よしなさい」
「はい」
ウィッチの言葉に素直に答えるピッパ。
どうやら隷属魔法解除は上手くいったみたいだな。
ウィッチにピッパを押し付けるそんな考えが浮かんだ。
「駄目よ私は世話を焼けないわ」
先手を取られた。
なんで俺の考えている事が分かったんだ。
ドラゴンでも女の直感は鋭いな。
「そこをなんとか」
「あなたやりなさいよ」
しょうがないピッパと拳で語り合おうか。
ウィッチに魔法を教え島を後にして帰路についた。
森に帰る途中もピッパは何度も俺に攻撃を仕掛けた。
乗っているミニアに攻撃が及ばないのがなんとなくいやらしさを感じる。
森に帰った俺はミニアを下ろし。
ピッパのバックアップを行った。
さあこれで即死しない限り復活させられる。
俺はピッパに魔力一万のストーンバレットを叩きつけた。
血まみれになって吹っ飛ぶピッパ。
近寄ると瀕死ながらブレスを撃ってくる。
だが俺の体には傷一つできない。
回復させてやろうとピッパに近寄ると何だか竜言語魔法が発動した。
「ボス。おいら、従います」
急いで傷を完全回復させる魔法を使う。
ピッパは元通りになり、かしこまった。
なんだか隷属させたみたいだ。
竜言語魔法には隷属魔法もあるのだな。
これウィッチにまた頼むと怒られそうだな。
それに竜言語魔法を人間の魔法で打ち破れるのかも分からない。
マスターチェックの魔法を掛ける。
駄目だ。
反応がない。
リタリーは強大な力って言っていたよな。
どうやら竜言語魔法は人間の魔法を上回るようだな
俺が面倒をみるって事になりそう。
村にいる女の子の所に事情を説明に行く。
「ピッパ。私。飼う」
「そんなのってないよ。私から奪うの。親友だと思っていたのに」
「ドラゴン。人とは。暮らせない。例外。テイマー」
「なんとなく分かっていたの。村の人達も分かってくれないって」
「また。遊びに。来る」
「待ってる」
女の子の目に涙が光る。
すまないなこんな事になって。
でもなんとなく一番良い形に落ち着いたと思うんだ。
ブライシー騎士団も諦めないだろうしさ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます