妙なこだわり

 一人でカラオケにいくことが頻繁にある。二三時間、好きに歌って帰るのだが、ふと思い立って、自分の歌を録音することにした。


 普段から録音して聞き返したりしているので、特に変わりはないだろう、と思っていたが、これがまた全然違った。まず、普段やっているのはサビだけで、長くとも一分ぐらいである。しかし、今回はフルで録音していたため、五分ちょっと集中しなければならなかった。これが予想外にしんどい。椅子やマイクの音を避けるため、五分間ずっと同じ体勢でいるのは、思ったより緊張する。また、リップノイズ、喉の音、外の音、そういうのが入るたびに撮り直しだ。なによりきついのが、クーラーがつけられないことである。プロの苦労の、千分の一ぐらい理解出来た気分であった。


 そうして数時間格闘した結果、満足とはいかないが、まあ、こんなもんだろうといのが完成した。どこにも発表することもないし、自分で聞くこともそんなにないだろう。

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