許されざる者

 映画の話ではない。


 過去、現在の過ちによって、活動中止を余儀なくされるものが多い。その叩かれようが年々酷くなっている。SNSの発達もあるだろう。直近で言えば、自粛自粛でストレスが溜まっているという理由もあるだろう。それ自体は特にどうということもない。疑問なのは、どこまでなら許されるのだろう、という一点だ。


 酒を飲んで暴れた、不倫をした、お金関係を誤魔化した、こういうのは、ちょっと前なら許されていたように思う。無罪放免というわけではないが、謝罪して、活動を減らし、ほとぼりが冷めたら平気な顔で復帰、というのがお決まりの流れだった。それが良いかは別の話だが、今ではそうもいきそうにない。一度過ちを犯した者は、地獄の底まで突き落とされて、身を隠して生きるような社会になりつつある。かと思えば、それより遥かに悪質なことをしても、特におとがめなしでテレビに映り続けているような者もある。


 そのあたりのバランス感覚が、私にはよくわからない。

 好感度というやつなのだろうか。

 少なくとも、日頃の行いではないだろう。過ちを犯しているのだから。


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