YesかNoか
椎名由騎
選択肢
本当ならば簡単に選べばいいことだ。しかし、その選択がどうしても出来ない。
これを選択してしまえば、仲間を売ることになるからだ。それだけはする訳にはいかない。
敵の銃口が俺の額へと段々と向けられる。時間はわずかしかない。
仲間を売って俺だけ助けるか、それとも仲間の場所を言わずに銃によって俺の人生を終えるか。
死ぬか生きるかの世界に生きている以上、いつ死んでも構わない。俺は決心を固め、舌を噛みちぎろうとした。
その瞬間、奥から駆け込んでくる男の一言で周囲がざわつき始めた。
眼前まで来ていた銃口が下ろされ、周囲を囲っていた敵マフィアは数名を残して奥へと走っていく。外からの雑音が大きくなる中、俺はこれまで選択肢なかったものに助けられることになった。それは………。
ドーンと壁が吹き飛び。見慣れた顔が見えた。
「まだ生きてるだろうな」
そこに立っていたのは同じマフィアに所属する同期の顔だった。
YesかNoか 椎名由騎 @shiinayosiki
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