第20話 となりいいかな?

 昼休み、わたし(玲香)は屋上で自前の弁当を食べていた。


 未咲「隣、空いてる?」

 玲香「誰かと思ったら未咲じゃない。べつにいいわよ。

    ただしマットの中には入らないで。これ、ひとり用だから」

 未咲「それは見ればわかるような……んしょ」


 玲香ちゃんは正座、わたしは三角座りでなかよく昼食をとった。

 ……おっと、これだとわたしのかわいい下着が丸見えだね。

 せっかくだし、玲香ちゃんに見てもらいたいけど……

 いまは食事中だった。さすがにやめておこう。


 しばらくして。


 未咲「(んっ、おしっこしたくなってきた……)」


 むずむず感を覚えるわたしの股間。限界がすぐそこに来ていた。

 無理もない。わたしのお尻は半分とはいえ雪に浸かっていたのだから。


 顔までそんな感じになってしまい、もやっとした気分になる。


 未咲「(もう、がまんできないっ……)」


 隣に幼馴染がいるのに。わたしは出そうになる声とそれを必死にこらえた。


 未咲「(出るところまできちゃってる……がまん、しないと……)」


 このときのわたしは、なぜかがんばれそうな気が少しだけしていた。

 だけどその根性も、冬の季節の前ではまったく意味をなさなかった。


 未咲「(やだっ……ちょっとでちゃったかも……!)」


 乙女らしく(?)恥じらっては約束通り赤面するわたし。

 かすかにいちごの香りが漂い、場面的にはさほど問題はなかった。

 やってしまっていることはさておいて。


 未咲「(あぁおしっこ、おしっこしたい、おしっこしたいよぉっ……)」


 下着にわずかな湿りっけを感じて身震い。余計にしたくなってくる。


 未咲「(いいや、いっそ出しちゃお……玲香ちゃんにばれるけど……)」


 まずは一回、しゅぅぅっと。思ったより音が大きくてびっくりした。


 未咲「(んんっ)」


 よりいっそういちごの甘いにおいが広がる。おやつにしたいくらい。


 未咲「(もうちょっと出したら、もっと気持ちいいかも……)」


 もうわたしの頭の中には、そのことしかなかった。

 いともたやすく排泄の欲にとらわれては、すぐさまそれを実行する。

 とても女の子だとは思えない。でも、それでもいい。


 わたしは表情をさらにゆがめて、せいいっぱい排出した。


 玲香「……気持ちよさそうね(怒)」

 未咲「玲香ちゃん?! えっと、これはその……」


 青筋が立っていたので、思わずわたしはあたふたしてしまった。

 それはそうだ。ふつうなら食事中に排泄なんてしない。禁忌だと思う。

 でも、どうしても我慢できなかったんだし、仕方ないともいえる。

 欲に従った、まるで生き物として正しいありかたともいえる。


 ……もちろん、こんなことあっていいはずはないけど。


 未咲「したく、なっちゃったの……だから……」

 玲香「はぁ……なんであんたって、いつもこうなのかしら……」


 呆れられてしまった。いちごのにおいに若干の反応を示しつつ。

 ……ん? よく見ると、玲香ちゃんも少し震えているような……?


 未咲「玲香ちゃんもおしっこしたいの?」

 玲香「ばっっ……そんなわけないでしょ」


 言いつつ、脚が完全にぷるぷるしている。確信が持てた。


 未咲「おなかおしてあげるね」

 玲香「そんな必要、ないってば……~~っ?!」


 お腹を押されて、玲香ちゃんははしたなく脚を広げて苦しそうに息をした。


 玲香「あぁダメ……未咲、あんたこれ見たらどうなるかわかって……」

 未咲「いいからいいから」

 玲香「いいわけないで、しょっ、?!」


 ぷくっと膨れたお腹が可愛くて、つい触りすぎてしまったみたい。

 玲香ちゃんはこれまでにないほどいい反応をしてくれて、わたしは嬉しかった。


 未咲「いっぱいちっちしよ、ね?」

 玲香「ほんとに覚えてなさいよ……ゆるさないんだから……」


 わたし以上に大きな音をさせて、玲香ちゃんが壊れた。

 何度か身体をぴくぴくさせておしっこを漏らしているのも、また可愛かった。


 未咲「すごい……わたしをかるく超えてくるよね……」

 玲香「もう一緒に昼食たべてやんない……絶対に……」


 そこに、うみちゃんがやってきた。


 うみ「よぉおふたりさ……うぉっ、なんだこのなんともいえんにおい……!」

 未咲「えへへ……見てのとおりだよ……」

 うみ「いちごっぽい感じもするし、もっと他の……そう、おし」

 玲香「言ったら〇す!」


 どたばたな感じで、この日の昼食タイムは終わった。

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