わるもん かつてヒーローだった男はいま「わるもん」専門
大和田悟史
プロローグ
あたしは はしった
いっしょうけんめい はしった
どこまでも はしった
けむくじゃらの怪人は しろいキバを むきだして
よだれ だらだら いきを はあはあ おいかけてくる
おおかみ怪人 あっちいけ
あたしは すなを つかんで 怪人に なげた
おおかみ怪人は うぐおおおお ほえて
もっともっと キバをむいた
するどい つめが ぶうんと うなった
あたしは いっしょうけんめい はしった
おしろに ついた
おしろに のぼった
だれか たすけて
おおかみ怪人は おしろのまわりを
ぐるぐると まわって
おしろに のぼってこようとした
たすけて たすけて だれか たすけて
あたしは なんども さけんだ
でも あたしの こえは
おおかみ怪人の
わおおおおお
とおぼえに けしとんだ
もう おしまい
なにもかも おしまい
だめ おしまい
あたしは めを ぎゅっと つぶった
そこに だれかの あしおとが
どこからか かけてくる あしおとが
あたしが めを あけると
そこに たっていた
ヒ―ロ―が
レッドマスクの
ヒ―ロ―が
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