第2話石牢の中の「怪物」①


ーー伊津之目いづのめが、作ってくれる手料理はうまかった

「伊津之目さんは、男なんですかー女なんですか」

「それは、、、、」

「あーかしらだ、頭ーー」


11,10くらいの子供から12,13歳の大人びた子供


8,9歳の子供しまいには、6歳、5歳の子供に至るまで伊津之目を|頭、

かしらかしらと呼びながら慕ってくる


「ちょーおとなしく寝といてねっていったでしょ」

「ええーだって」

「頭ー少しは融通してくださいよーー」


「そーだよ、頭、いつも口うるさいしさーー」

「でも、面倒は見てくれるよ」

「そりゃ、頭は頭だからだ」「頭、頭、遊ぼ、遊ぼ」

ーーもう収拾がつかない

でも、子供たちを見守る頭の顔が優しそうだ

「しょうがないな、みんなの分もあるから、皿とってきて」

「「はーーーい」」


ーー妙だな。倫は考えるー子供たちには、体中に傷跡がある

それも、殴られた後じゃない


倫の親も教育に関しては「鬼」だった、だからわかる

ーーーー人を殴る「親」が、もっといえば「鬼」に育てられた人間が

その観点からいっても、「頭」にはその兆候がみられない

ーー厳しいのかもしれんが、すくなくともびくびくしてるようではない


ーーよく見たら、伊津之目にも、同じ傷跡があった

ーーまるで、何かに切り取られたような跡

それを、倫は見たことがあるーー切開痕、つまり「手術痕」だ

(--なんだ、胸騒ぎがする、ただの手術痕じゃないような、、、、)

だが、--それは「憶測」でしかない、無理やり自分を納得させる


ーー風呂でも入るか


「えーっとまずは、自室に荷物を置いてから」

ーー風呂である


先客がいる「ふー、、いい湯だねぇーーくけけけけけけ」

年齢不詳の小説家(性別「未定」)長谷田道透はせたみちとおである


ー「変人」発明家の異名をとる人物がなんでこんなとこに

「療養中さーー、、ここの女将のね、まぁさっき伊津之目って人にあっただろ

んで、あたしは、伊津之目の育ての親みたいなもんだからね

ーーついでに、見に来てやったのさ、、、ふーー、うまい、の様子

をね」

「あいつ、、、」


ーーそれにしても、この「露天風呂」の中に男とも女ともつかぬ人物(成人)が入っていていいのだろうか

「いいんだよーー昔の友達だちが、少しへまをやってしまったのさ

その代わりに来てるんだ、誰にもとがめられないだろうよ、なにより

ーー今、そこに「病室」で寝てるやつを治せるのはあたししかいないし」

ーー誰かが、病人がいるのだろうか

「気をつけなよ、治すといってもいまのところ、根本的な治療法がない

奴さん、「誰」にやられたんだか、」


暗い目をしていた「あたしは、発明家といっても、かわりものでね

ー簡単に言えば」

立ち上がり、腹の中を見せる「、、、何それ?」

「からくりだよ、鉄を飲み込めば「製鉄」し、ミカンを飲み込めば

「植林」(ってか鉢植えにうえ)する、あたしの体は「通常」と違う

まぁ、だからって基本初対面の人間に見せることないんだけどな」

からからと笑う人間

不敵な笑みをしていた

「悪夢のやつもーーお前に、能力を見せるとかいってたぜ」

(「どうですか聞こえますか?」)

「今のは」「精神伝達テレパシー、、、おい、なんであたしまで」


(「いいじゃないですかーほれほれ」)

今度は、グラビアアイドルの写真が送られてくる

「やめろ、成人男性が風呂の時に見せるな、隠せないだろうが」

カラから笑う隣の人間は、わからないだろうが(だって、見たところ男性器も

女性器もないし)

男ってのは大変なの、

「そうか、俺は」

ーー何もない

「え、いや、ちょまって、、、なんか、ある」

ーーなんかあるだろ作者

無責任か作者

ーー誰得な「絶叫」が夜の闇に響くのだった



ひたひたっと音がするーーその足音は「自分」にも聞こえてきて

「うわぁ」

叫び声で起きるなんだ夢か、昨日あの後どうしたっけ

「お兄ちゃん、もう朝だよ」なんていってくれるもいないし


ーーここで、やっていくしかない

「庭園」の中を見て回ることにする


「ん、なんだ」

そのマンホールを近づいてみる

ギィっと音がして、穴が開くーーそこには地下へ通じる階段があった

「おいおい、うそだろ、うそだろぉ」

降りてみるしかないーーここまで来たのなら

「うし、いくか」

梯子状になっている階段を下りて、、、そっと、、、ゆっくりと「奈落の底まで」

落ちていった

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