異世界魔王の禁忌魔術
深谷 春瑠
プロローグ 滅びゆく世界で何を想う
ようやく……
ようやく全てが終わった。
世界を敵に回し、最後まで抵抗した世界連合を降した魔王のウェルグは崩れ落ちる世界を眺めて物思いにふけっていた。
「ついに……悲願を迎えましたね……!」
魔物の従者が感涙の目をして王を称える。
世界を壊す。
支配するではなく壊すことを目標してここまでたどり着いた。
だが今の彼に満足感などない。
魔王として生まれたウェルグは人々から忌み嫌われ、征伐の対象となり続けた。
人族との和平を唱え続けたが、人族側が話を聞いてくれず、それも無意味に終わる。
何が正しいのかを考えたこともあった。
人を変えられない以上、和平もできない。
かといって支配する気も無い。
彼にできたのは世界のリセット。
間違った方向に進んでしまった世界を治す一手だ。
勿論、新しくなるということは古きものが消えていくという摂理である。
――嗚呼、その新しい世界を見届けられないのは残念だ
ウェルグの一言を最後に
世界は白く染まった。
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