第一回性癖小説選手権講評置き場

春は萌ゆる季節ゆえ／江戸川ばた散歩

作品名：春は萌ゆる季節ゆえ

作者名：江戸川ばた散歩

性癖：植物の生殖ネタ

作品ＵＲＬ：https://kakuyomu.jp/works/1177354054895161295

　ラブホのベッドのハートマークが緑色だったから前葉体って事でくんずほぐれつえっちな場所じゃんというお話。

　事に及ぶ準備をしながら植物の生殖の知識を語る女の子二人のいちゃいちゃした感じががとても良くてニヤけてくるのですが、性癖小説としては少し力が低いかもしれません。

　『植物の生殖ネタ』が性癖という事は植物の生殖に神秘的な物やえろてぃっくな物を感じる性癖という感じなんだろうと思うのですが、その部分がそうであるという説明だけで終わってしまっていて、いかに心の性感帯にビンビン来るかや興奮するかの描写が百合描写の前に薄れてしまっている感じがしました。

　これが性癖『百合』だったらレベルが高いと思うのですが、もしかして彼女たちは『百合』だから『シダ・コケ類ではないので前葉体はおかしい』という高度なネタなんでしょうか。それならば座布団二枚を差し上げたい上手さです。でも、やはり読者に性癖ポイントが伝わりにくいかなと思います。

　百合としてはレベル高い性癖小説なだけに惜しいという感じがしました。次があればもっと植物の生殖に絡めたえろてぃっくさを魅せて欲しいです。