第一回性癖小説選手権講評置き場

異世界グルメハンターズ～王都ラヴィニア編～／あきかん

作品名：異世界グルメハンターズ～王都ラヴィニア編～

作者名：あきかん

性癖：飯

作品ＵＲＬ：https://kakuyomu.jp/works/1177354054894779356

　あきかんさんが同企画に投稿された『異世界グルメハンターズ』（https://kakuyomu.jp/works/1177354054894756863）の続編というか、同じ世界観と一部同じキャラの別のストーリーですね。

　いきなり人肉を食べていて驚いたんですが、料理的にはムニエルっぽい感じ？ そして次は胎児の脳みそを使ったデザートに様々な人種の骨と肉を使ったデミグラスソース。

　様々な人種が集まる街であるのに食材にも様々な人種が使われていて、作中の登場人物達は自分と同じ種族が食材として扱われている事を当たり前と認識している。しかもそれらを食べながら談笑するのも平気っぽい。

　中々に狂気な設定なんですが、オーガの食事についての設定や人の解体の仕方、料理の作り方なんかが気軽に書かれているので不思議とおかしく感じずにすらっと読めます。よくよく考えるとめちゃくちゃ狂気なんですけどねこれ。

　この街と街に住む人達の在り方が『性癖：飯』という事なんですね。細かく言うのならば『非倫理的食事』とか『禁忌の食事』とかになるのかもしれませんが、作中の人物たちはそんな事をあんまり思っていないので『性癖：飯』で正しいのでしょう。

　普通の小説として読んでもゾクゾクしますし、性癖小説としてもワクワクする物がありますね。とても良い性癖を見させて貰いました。☆三つです。