第十二話『俺の肉体』

 あー、暇だ。


 俺は雲一つ無い快晴の下で、昼間から公園のベンチに座っていた。


 何故こんな事をしているのか……まぁ、ナビィさんに言われたからだけど………。


「はぁ……、暇だ……」


 急に遊べって言われてもな…………。


 そんな溜め息がが出るくらい暇な日も、何と今日で2日目だ。

昨日は数万年ぶりに昼寝をしてみたのだが、悪夢は見るし、いつの間にか夜になってた。


 冷静に考えてみろ。

おじさんが、公園の遊具で昼間から遊んでいる。しかも体には赤い刺青。なんてさ、ただの不審者だろーが。


……しかし、暇なのも事実だしな………。


 ナビィさんは、この世界の把握するって言ってたし、邪魔しない方が良いだろう。

個人的には、情報を集めるではなく、世界を把握って言ってるのが怖いが、まぁ大丈夫だろう。うん。


 あ、マオなら平気かな?


〈おーい、マオ。暇だし、何か話でもしよーぜ〉


 思い立ったらすぐ行動だ。俺はマオに念話を送ってみた。


〈んー、いいけど。私は暇じゃないから、返すの遅くなるよ?〉


〈そうか、分かった。まぁ、返してくれるだけありがたいよ〉


 ナビィさんなんて、受け取ってすらくれなかったからね……。

 それと、暇なの俺だけだったんだ……別に気にしないけども………。


〈じゃあ、何の話する?〉


 ちょっと時間が経ってから、マオが問いかけてきた。


〈そうだな……俺の体についてとかはどうだ?〉


〈…マスター。自分の体がそんなに好きなの?〉


〈いや、そういう意味じゃない。死んでから転移したのに、何で体があるのかって意味だ〉


 この事は昨日昼寝する時に気づいたんだが、これかなり変だよな?


〈あの白い世界だと、肉体は分解されるはずだろ?自分で言うのもなんだけど、俺確実に死んでるからな!〉


〈あ~、その事ね。ナビィから聞いてないんだ。その肉体は、造ったんだよ〉


 ん?造った?肉体を?


 あぁ…誰が造ったのか、なんとなく分かったぞ……。俺の知らない間に行動出来るなんて、ナビィさんか約束の女神だけだ。女神は、おやつの時間だったし。


〈一応聞くが、造ったのは誰だ?〉


念のために、答えを聞く。まぁ、分かってるけどね。




〈その肉体を造ったのは私だよ!〉


 少し遅れて、マオの笑っているイメージとともに、言葉が返ってくる。



 へ?


 ナビィさんではなく、マオが造った?


 前言撤回。予想外だった。

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