45 イージス家の眠る場所

まどうビル10階に出来た、氷の彫刻。

ホワイトが放った冷気は、レベッカを完全に凍り付かせた。


「スイーダと同じように、死になさい」

ホワイトはそう言うと、氷に手を突っ込み、石を奪う。レベッカの左手に握られる、拳を開くと、そこには石。


「おや?」

緑と黄色、2個しかない。見ると右手は上げられ拳は握られて、氷からはみ出している。


「スイーダと同じく、往生際が悪いですね」

ホワイトは言うと、拳をこじ開ける。中には残る石。赤と青。2つの石を手に取ると、


「ケル様が、お喜びになる」

と言う、ホワイト。


――空に再び闇が覆う。そしてベリアルの姿。


「美しい」

空を見ながら言うホワイト。闇に忠誠を誓っていた。赤と青の石を手で転がす。


その時、空のベリアルと、赤と青の石が、一直線に並んだ時。


(ビッ)

と紫の、帯がホワイトの前に現れる。


「なんだ?」

不思議がって見る。


それはベリアルの口元から出る、触手。

赤と青の石を通して、ホワイトの身体を、貫通していた。


「???」

何が起こったのか理解できない。


「・・ゴミの分際で」

と言い、ドサッ、と倒れるホワイト。


――右手に握っていた、石の色は、青と赤。

色を合わせると、紫になって、闇になる。


それが、空のベリアルと一直線に並んだから

錬金術師じゃない、ホワイトは、闇を増幅されてやられた。


ホワイトは倒したけど、レベッカは凍結されていたこともあり、かなり弱っている。


「パ・・パ」

そして、目を瞑ると、壁へともたれかかって倒れた。


空には、ベリアル

 髪飾りの石のお陰で、脳支配ドールを免れてはいるものの、

体力的に、限界を超えているレベッカ。


「・・・」

そして、完全に意識を失ってしまう。

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